「IT導入補助金を使えば、UTMが実質0円です」
この営業電話、最近かなり増えています。
UTMというのは、簡単に言うと「会社のネットの入口でウイルスや不正アクセスを止める門番」のような機械です。今の時代、入れておいた方がいいのは確かです。
ただ、問題はここです。
「補助金を使えばタダです」と言われて、そのまま契約してしまう社長が本当に多いんです。
正直に言います。
その契約、あとから胃が痛くなるケースを現場で何度も見てきました。
- 「実質0円」と言われたのに毎月の保守費が高すぎる
- 5年リース契約で途中解約できない
- 機械の性能が会社の規模に合っていない
- 補助金の対象外になり結局全額負担
- そもそもUTMが必要な規模ではなかった
- 導入後のサポートがほぼ無い
こういう話、実は珍しくありません。
社長が悪いわけではないんです。補助金、IT機器、ネットワーク、契約。全部まとめて説明されるので、普通は判断できません。
でも安心してください。
いくつか確認ポイントを知っているだけで、悪い契約の9割は避けられます。
「実質0円」営業の本当の仕組みと、UTMスペックを見抜く社長のチェックポイントを解説します
「実質0円です」という営業トークの正体

補助金は「タダ」ではない
まず最初に、ここを誤解している社長が本当に多いです。
IT導入補助金は「国が全額払ってくれる制度」ではありません。
基本的には費用の一部を補助する制度です。
たとえば100万円の機器なら、補助率が2/3なら約66万円が補助され、残り34万円は会社負担になります。
つまり「実質0円」というのは、営業トークとしてかなり乱暴な言い方なんです。
実際には、リースや保守契約で費用を回収するケースがほとんどです。
営業会社のビジネスモデル
なぜ「0円」という言い方をするのか。
理由はシンプルです。
UTM販売は機械より保守契約で利益を出すビジネスだからです。
つまり機械は安く見せて、月額契約で長く回収する仕組みです。
これは決して違法ではありません。
ただ、説明が不十分なまま契約すると、あとで「こんなはずじゃなかった」という話になります。
補助金は誰でも使えるわけではない
もう一つ大事なポイントがあります。
IT導入補助金は審査があります。
申請すれば必ず通るわけではありません。
ここを軽く説明する営業は、正直ちょっと注意した方がいいです。
申請書類の内容、会社の状況、導入目的によっては普通に落ちます。
「絶対通ります」という営業は、かなり危険信号です。
補助金はタダではない。「0円」という言葉が出たら一度立ち止まる
UTMとは何かを社長がざっくり理解する
UTMは会社のネットの「門番」
UTMという言葉、横文字で分かりにくいですよね。
簡単に言うと会社のネット入口の防犯装置です。
ウイルス、怪しい通信、不正アクセスをチェックして止める役割があります。
防犯カメラより、むしろ「警備員」に近いイメージです。
何もないと、社内ネットはほぼ無防備です。
なぜ中小企業が狙われるのか
「うちみたいな小さい会社は狙われない」
これ、社長が一番よく言う言葉です。
でも実際は逆です。
中小企業はセキュリティが弱い会社として狙われやすいです。
特に取引先に大企業がいる会社は要注意です。
UTMが必要な会社の目安
とはいえ、全社に必要かというとそうでもありません。
目安としては次のような会社です。
- 社員10人以上
- 共有サーバーやNASを使っている
- リモートワークがある
- 顧客データを扱う
- 複数の拠点がある
こういう会社ならUTMは検討してもいいです。
逆に社員3人の会社に高額UTMを売る営業は、かなり疑っていいです。

悪徳業者が使う営業トークの典型パターン

今月中なら補助金が通る
これ、かなりよく聞く営業トークです。
でも実際は、補助金は公募期間があります。
営業の都合で「今月だけ」ということは基本ありません。
急がせる営業は、契約を急がせたいだけのケースが多いです。
セキュリティ事故が急増している
確かにサイバー攻撃は増えています。
ただ、恐怖だけで判断するのは危険です。
本当に必要なのは会社のネット環境を見て判断することです。
回線速度、社員数、ネット利用状況などを見ない提案は、かなり雑です。
大企業も導入している
これもよくあるトークです。
でも大企業のUTMは数百万円クラスの機械です。
中小企業用UTMとは全く別物です。
「大企業も入れている」という話は、実はあまり意味がありません。
UTMスペックを見抜くための最低チェック
同時接続数を見る
UTMでまず見るべき数字は同時接続数です。
これは「同時に何台の通信を処理できるか」という能力です。
社員20人なのに同時接続10台の機械だと、すぐ遅くなります。
ネットが遅い原因がUTMだった、という話は本当に多いです。
スループットを見る
もう一つ大事なのが通信処理速度です。
これが低いと、ネット回線が速くても意味がありません。
UTMがボトルネックになります。
動画会議が増えている会社は特に重要です。
保守内容を見る
UTMは導入して終わりではありません。
むしろ運用が重要です。
ウイルス情報の更新、ログ監視、設定変更などが必要です。
ここが弱い契約は、正直おすすめできません。
| 確認項目 | 安心できる状態 | 危ない状態 |
|---|---|---|
| 同時接続数 | 社員数の2倍以上 | 社員数以下 |
| 通信速度 | 回線速度以上 | 回線より遅い |
| 保守契約 | 内容が明確 | 説明が曖昧 |
UTMは「価格」ではなく「処理能力」で判断する

社長が契約前に必ずやるべき3つの確認

見積書を分解する
まず見積書をそのまま見ないことです。
必ず次の3つに分けます。
- 機器代
- 保守費
- 補助金対象額
これが分かれていない見積書は危険です。
あとから費用が増えるケースがあります。
リース契約を確認する
UTMはリース契約が多いです。
問題は途中解約できないことです。
会社を閉めても支払いが残るケースがあります。
ここは本当に注意してください。
第三者に相談する
社長一人で判断する必要はありません。
セキュリティ専門の第三者に相談するのが一番安全です。
営業会社と利害関係がない人です。
それだけで、かなり冷静に判断できます。

まとめ|UTM導入は焦らなくていい

UTMは確かに重要なセキュリティ機器です。
でも、焦って契約するものではありません。
「補助金」「今だけ」「実質0円」
この3つの言葉が同時に出てきたら、少し立ち止まってください。
社長が明日やるべき一歩はシンプルです。
- 会社の社員数とネット環境を整理する
- 営業見積書を分解する
- UTMスペックを確認する
- 第三者の意見を聞く
焦って契約する必要はありません。社長が冷静に判断すれば、悪い契約のほとんどは避けられます。

