「……あれ、私の声聞こえてますか?」
大事なオンライン商談の最中、相手の顔がカクカクし始め、自分の声が届かなくなる。あの瞬間の、心臓がキュッとなる感覚……。正直、めちゃくちゃ胃が痛くなりますよね。私も現場で何度も「社長、なんとかしてよ!」と泣きつかれる社員さんの顔を見てきました。
多くの社長は「ネット回線が遅いんじゃないか?」「プロバイダを変えなきゃダメか?」と考えます。でも、ちょっと待ってください。実は、高いお金を払って回線を太くしても、この問題が解決しないことがよくあるんです。なぜなら、原因は回線の外ではなく、オフィスの中にある「箱(セキュリティ機器)」や「空気(Wi-Fi)」に隠れているからです。
- 特定の時間帯だけZoomが紙芝居のようになる
- 社員が15人を超えたあたりからネットが極端に重くなった
- 「お使いのインターネット接続は不安定です」の文字が呪いのように出る
- YouTubeは動くのに、ビデオ会議だけが途切れる
- ルーターを再起動すると一瞬治るが、またすぐに悪くなる
もし心当たりがあるなら、それは「UTM(セキュリティの関所)」が悲鳴を上げているか、目に見えない「Wi-Fiの混線」が起きているサインです。このまま放置すると、取引先からの信頼を失うだけでなく、社員の生産性はダダ下がり。最悪の場合、業務がストップして数日間の機会損失を招くことにもなりかねません。
この記事では、専門知識ゼロの社長でも「何が原因でZoomが止まるのか」を見極め、明日から快適な通信環境を取り戻すための具体的なアクションを解説します。
原因その1:UTM(セキュリティの関所)がボトルネックになっている

警備員が「手荷物検査」でパニックを起こしている状態
UTM(統合脅威管理)は、いわばオフィスの入り口に立つ「凄腕の警備員」です。ウイルスが入ってこないか、怪しい通信はないか、すべてのデータを一つひとつ開けてチェックしています。これ自体は素晴らしいことなのですが、問題はその「処理能力」です。
特に10名〜50名規模のオフィスで、5年以上前の古いUTMを使い続けていたり、同時接続数を考慮せずに安いモデルを導入したりしていると、警備員がチェックしきれずにパニックを起こします。データが入り口で長蛇の列を作り、結果としてZoomの通信が「順番待ち」状態になって固まるわけです。これ、現場では本当によくある「あるある」なんです。
社長が誤解しやすい「カタログスペック」の罠
カタログに「1Gbps対応!」と書いてあっても、それは「すべてのセキュリティ機能をオフにした場合」の数字であることが多いです。ウイルスチェックや侵入防止機能をフル稼働させると、処理能力は半分以下、ひどい時は10分の1くらいまで落ちることもあります。社長が「うちは最新の機械を入れたはずだ」と思っていても、実際は社員全員のZoom通信をさばききれていないケースが多々あります。
原因その2:目に見えない「Wi-Fiの電波干渉」が通信を邪魔している
隣のオフィスのWi-Fiと「喧嘩」していませんか?
Wi-Fiの電波は、目に見えない「道路」のようなものです。特に雑居ビルに入っているオフィスの場合、隣の会社や上の階の会社が飛ばしているWi-Fiと、同じ道路を取り合って大渋滞を起こしていることがあります。これが「干渉」です。
ある現場では、会議室の壁一枚隔てた隣の会社のWi-Fiが強すぎて、こちらの通信が頻繁に途切れていました。社員さんは「壊れている」と思っていましたが、実は道路が激混みだっただけ。これは機器の故障ではないので、設定を変えない限り、どんなに高いルーターを買っても治りません。
電子レンジやコードレス電話も敵になる
「お昼時になると、なぜかZoomが不安定になるんだよね」という笑えない話があります。原因は、給湯室の電子レンジでした。古いWi-Fi規格(2.4GHz帯)を使っていると、電子レンジが出す電波とモロにぶつかります。また、古いコードレス電話やBluetooth機器も原因になります。社長のデスクのすぐそばにレンジがあるオフィスは要注意です。現場でこれを見つけた時は、私も思わず苦笑いしてしまいました。
「電波は混み合うもの」という前提で、干渉しにくい「5GHz帯」への切り替えや配置の見直しが不可欠です。
プロが教える「原因の切り分け方」3ステップ

ステップ1:まずは「LANケーブル」を直接繋いでみる
これが一番確実な方法です。Zoomが止まった時、一時的にWi-Fiをやめて、ルーターから直接LANケーブルをPCに繋いでみてください。もしこれで快適になるなら、原因は100%「Wi-Fi(電波)」にあります。逆に、有線で繋いでもまだ重いなら、原因は「UTM(箱)」か「回線そのもの」にあると断定できます。
ステップ2:UTMを一時的にバイパス(迂回)してみる
少し勇気がいりますが、UTMを通さずにルーターとPCを繋いでみてください(※長時間は危険なのでテスト中だけです)。これで劇的に速くなるなら、UTMが完全にキャパオーバーしています。私の経験上、50名規模の会社で数万円の安価なUTMを使っている場合、このテストで犯人が確定することがほとんどです。
ステップ3:同時接続している人数を確認する
「うちは20人しかいないから大丈夫」と思っていませんか?でも、社員一人ひとりが「PC・スマホ・タブレット」の3台を繋いでいたら、それだけで60台です。古いルーターやUTMの限界を軽く超えてしまいます。現場で数えてみると、社長が把握している倍以上のデバイスが繋がっていて驚かれることがよくあります。
| 症状 | 有線で改善する? | バイパスで改善する? | 主な原因 |
|---|---|---|---|
| 時々カクつく | はい | 変わらない | Wi-Fi電波干渉 |
| 常に重い・遅い | いいえ | はい | UTMの性能不足 |
| 朝晩だけ遅い | いいえ | いいえ | 回線(プロバイダ)混雑 |
放置すると怖い「負の連鎖」と経営リスク
「あの会社、ITに弱いな」というレッテル
商談中に何度も通信が切れると、相手は「この会社、社内インフラも整ってないのか?」「セキュリティ意識も低いんじゃないか?」と、本業以外の部分で不安を感じ始めます。特に大手企業やITに明るい取引先ほど、このあたりをシビアに見ています。通信の不調は、もはや「身だしなみが整っていない」のと同じレベルの失礼になり得るんです。これは怖いですよね。
シャドーIT(勝手なWi-Fi導入)の横行
オフィスのWi-Fiが遅いと、社員は業を煮やして「自分のスマホのテザリング」を使い始めたり、勝手に家から持ってきたルーターを繋いだりし始めます。これがセキュリティ上の大穴になります。管理外の通信が増えれば増えるほど、ウイルス感染や情報漏洩のリスクは跳ね上がります。社長が知らないところで「勝手なネットワーク」が作られるのが、一番の恐怖です。
今日からできる!Zoomをサクサクにする改善アクション

Wi-Fiルーターの「置き場所」を変える
もしルーターを床に置いていたり、棚の奥に押し込んでいたりするなら、今すぐ「床上1.5メートル以上」の見通しの良い場所に移動させてください。電波は水のように下に落ち、壁にぶつかると弱まります。高い位置に変えるだけで、電波の届き方が劇的に変わります。タダでできる最強の改善策です。
5GHz帯(Wi-Fi規格)を優先的に使う
Wi-Fi設定画面で、末尾に「-G」ではなく「-A」や「-5G」とついている接続先を選んでください。これだけで電子レンジなどの干渉からおさらばできます。もし古いPCで5GHzに対応していないなら、数千円のUSB子機を買うだけで対応可能です。社員全員に「5GHzに繋いで」と周知するだけで、Zoomの安定度は見違えます。
UTMの買い替え時期をチェックする
導入から3年以上経っているなら、当時の「想定人数」と今の「実人数(+デバイス数)」を比較してみてください。もし人数が増えているなら、それはもう機器の寿命ではなく、スペックの限界です。今のオフィスの規模に合った「適切なスループット(処理能力)」を持つ最新機種への入れ替えを検討すべきタイミングです。
まずは「置き場所」と「繋ぎ方」を見直し、それでもダメなら機器の更新をプロに相談しましょう。
まとめ:快適なネット環境は「正しい現状把握」から
Zoomが固まる原因は、回線が細いからではなく、オフィスのどこかで「詰まり」が発生しているからです。犯人がUTMなのかWi-Fiなのか、あるいは設定なのか。それさえ分かれば、高いコンサル料を払わなくても解決の糸口は見えてきます。
もし、自分たちで切り分けるのが難しい、あるいは「そろそろ機器のスペックが限界かも……」と感じたら、ぜひ当サイトのデータベースで最新のUTM性能を比較してみてください。また、「うちのオフィスに最適な機種が分からない」という方は、無料のセキュドック診断でお手伝いもできます。社長の時間を、これ以上「ネットの不調探し」に浪費するのはもう終わりにしましょう。
サクサク動くネットワークは、社員への最高のプレゼント。明日からの商談は、もうカクつく画面に怯える必要はありません!

