「社長、ネット遅すぎます」
朝イチで言われると、正直ちょっとイラッとしませんか。
回線代も払ってるし、ルーターも替えたし、なんなら一番速いプランにしている。それでも「遅い」と言われる。しかも経理、営業、設計、全員がそれぞれのタイミングで言ってくる。
でも、ここを感情で処理すると危ないです。
- ネットが原因かどうか分からないまま設備投資していないか
- 社員の“体感”だけで判断していないか
- 実は1人の動画視聴が原因だったことはないか
- クラウド導入後に通信量が倍増していないか
- トラブルの記録を一切残していない状態になっていないか
- 「まあそのうち直るだろう」で放置していないか
ネット不調は、放置すると「仕事にならない会社」という評価に直結します。ひどいと取引先から「御社、大丈夫ですか?」と言われます。これは信用問題です。
社長が感覚ではなく、順番どおりに原因を切り分け、再発を防ぐ流れを身につけること
まず疑うべきは「回線」ではない

社員の「遅い」は本当に回線の問題か
現場でよくあるのは、「遅い=回線が悪い」という短絡です。でも実際は違うことが多いです。パソコンが古い、更新作業が裏で動いている、ウイルス対策ソフトが重い。こういうケース、山ほどあります。
なぜ起きるかというと、社員は“体感速度”しか見ていないからです。原因を特定する視点がありません。
放置すると、社長は延々と「回線プランを上げ続ける人」になります。コストだけ増えます。
回線プランを上げても解決しない理由
高速道路を6車線にしても、出口が1車線なら渋滞しますよね。それと同じです。社内の機器や無線機がボトルネックになっている場合、回線だけ速くしても意味がありません。
社長が誤解しやすいのは「数字が大きい=速い」という思い込みです。実効速度は別物です。
回線変更は最後。まず社内の詰まりを確認するのが順番です。

最初にやるべき“切り分け”の順番
有線と無線を分けて確認する
まずやることは単純です。LANケーブルで直接つないで速いかどうかを確認する。これだけで、無線の問題かどうかが分かります。
無線は壁、電子レンジ、隣の会社の電波など、影響を受けやすいです。現場で本当に多いです。
時間帯を記録する
朝だけ遅いのか、午後だけか。記録しないと原因は見えません。
クラウド会議が集中する時間帯、バックアップが走る時間帯。そこに重なると遅くなります。
社長がやるべきは「いつ・誰が・何をしていたか」をメモさせることです。
1台だけ遅いのか、全体か
1台だけなら機器の問題。全体ならネットワークの問題。この切り分けをせずに業者を呼ぶと、診断費だけ払うことになります。
原因は「回線・社内機器・使い方」のどれか。この3択で整理する。
社内機器がボトルネックになっているケース

5年以上前の無線機を使っていないか
小さな黒い箱。5年以上前のもの、意外とそのままです。規格が古いと速度が出ません。
「まだ壊れていない」は判断基準になりません。
安価な家庭用機器を流用していないか
コスト削減で家電量販店の機器を入れるケース、あります。でも業務用途は同時接続が多い。耐えられません。
放置すると、社員が増えるたびに遅くなります。
| 状態 | 健全 | 危険 |
|---|---|---|
| 無線機 | 業務用・3年以内 | 家庭用・5年以上使用 |
| 接続台数 | 余裕あり | 常に上限近い |
| 管理 | 設定記録あり | 誰も分からない |
機器は「壊れる前」に更新する。これが一番安い。
実は多い“使い方”の問題
動画視聴・私用利用
昼休みに動画。悪いことではありませんが、全体に影響します。帯域という“通り道の太さ”は有限です。
注意せずに放置すると、真面目な社員が損します。

クラウドバックアップの集中
夜間設定していないと、昼間に一斉同期が走ります。これ、本当に多いです。
社長は「そんなの知らなかった」と言いますが、設定しないと自動では最適化されません。
ルールを決めない会社ほど、ネットは遅くなります。
社長がやるべき“論理的な解決フロー”

① 現象を記録する
感情ではなく記録。日時、人数、利用内容。
ここを飛ばすと毎回ゼロから調査になります。
② 切り分ける
有線か無線か。1台か全体か。時間帯はいつか。
この整理だけで業者の診断時間が半分になります。
③ 機器の年数確認
導入年を確認するだけ。分からないならそれが問題です。
④ 改善は小さく試す
いきなり回線変更しない。まず無線機交換、次に設定変更。
順番を守ると無駄な出費が止まります。
放置するとどうなるか
社員の生産性低下
5分待ちが1日10回。50分です。20人なら? それだけで1日分の人件費が消えます。
信用低下
オンライン会議が止まる。資料が送れない。これ、取引停止に直結します。
トラブルの常態化
「うちは遅い会社」という空気ができると、改善提案も出なくなります。
まとめ:明日、社長がやる一歩

明日やることは3つだけです。
- 無線機の導入年を確認する
- 「遅い」と言われた日時を記録させる
- 有線接続テストを1回やる
たったこれだけで、感情論から抜け出せます。
そして、もし整理しても原因が見えないなら、外部の目を入れるべきです。機器の型番や構成を一覧化するだけでも、問題は見えやすくなります。
社長が「まあいいか」と言った瞬間から、会社の通信は止まり始めます。

