取引先から、ある日ふいに届く「セキュリティ調査票」。
正直、この瞬間に少し胃が痛くなる社長、多いです。
「はい」「実施済み」「対応しています」
チェックを入れながら、心の中でこう思っていませんか。
- 正直、そこまで厳密にやってない気がする
- でも「いいえ」って書いたら取引止まるんじゃ…
- 何が正解ラインか分からない
- 他の会社はどうしてるんだろう
- これ、嘘って言われたらマズいよな…
実際、ここで軽い気持ちで「はい」を選んでしまう社長は少なくありません。
そして後から、「あれ、これ本当に大丈夫だった?」とヒヤッとする。
この記事では、調査票で“嘘をつかないための現実的な合格ライン”を、社長目線で一つずつ整理します。
取引先の調査票に対して「うちはここまでやっている」と胸を張って言える状態をつくること
そもそも、なぜセキュリティ調査票が増えているのか

大企業が「事故を起こせなくなった」
最近、調査票が増えている一番の理由はシンプルです。
大企業側が「一度の事故で終わる」立場になってきたからです。
情報漏えいが起きたとき、「外注先でした」「下請けでした」は、もう通用しません。
世間は、元請け・発注元の名前しか見ません。
だから大企業は、取引先にも同じ水準を求めるようになっています。
これは社長の会社が疑われている、という話ではありません。
社長が誤解しやすいポイント
よくある誤解が、「うちは小さい会社だから関係ない」です。
実際は逆で、小さい会社ほど狙われやすいのが現実です。
理由は簡単で、対策が甘いことが多いから。
攻撃する側は、強い相手より弱い入口を選びます。
「対策済み」と書いていい会社、ダメな会社の違い
全部完璧じゃなくてもいい
ここ、安心してほしいポイントです。
調査票に書いてある内容を、100%完璧に満たしている会社はほぼありません。
大事なのは「考え方」と「線引き」です。
何もしていないのに「はい」と書くのがアウト。
一部でも自分たちなりに対策していて、説明できるなら、それは嘘ではありません。
説明できない「はい」は危険
逆に危ないのは、聞かれたら詰まる「はい」です。
「それ、具体的に何をやっていますか?」と聞かれて答えられない状態。
現場でよくあるのが、
・ウイルス対策 → なんとなく入っている
・バックアップ → 誰かがやってるはず
この状態での「対策済み」は、正直かなり危ないです。
社長が最低限おさえるべき“合格ライン”の考え方

完璧ではなく「線」を引く
セキュリティで一番大事なのは、「全部やる」ではありません。
「ここまでは必ずやる」という線を引くことです。
線がないと、調査票のたびに悩みます。
そして毎回、気合と勢いで「はい」を選ぶことになる。
現場で実際に多い合格ライン
中小企業でよくある現実的なラインは、こんな感じです。
- 全パソコンにウイルス対策ソフトが入っている
- OSやソフトの更新を放置していない
- 誰が管理しているか決まっている
- 怪しいメールを開かないルールがある
- 最低限のバックアップが取れている
派手ではありませんが、これだけでも「何もしていない会社」とは明確に違います。
調査票でよくある質問と、社長が陥りがちな罠
「規程がありますか?」の落とし穴
この質問、かなり曲者です。
「規程」と聞くと、立派な文書を想像しがちです。
でも実際は、A4一枚の簡単なルールでも十分なケースが多い。
「社内で共有しているか」がポイントです。
現場で本当によくある話
社長は把握しているけど、社員は知らない。
あるいは、その逆。
このズレがあると、「ある」と書いても実態が伴いません。
調査票は、書類より運用を見ています。
紙より「実際に守られているか」が重要です
「いいえ」と書くのが怖い社長へ

正直に書いても、即アウトではない
「いいえ」と書いたら終わり、と思っていませんか。
実はそんなことはありません。
多くの取引先は、「未対応=即取引停止」ではなく、
「今後どう改善するか」を見ています。
むしろ信頼されるケースもある
現場では、
「ここは未対応ですが、今こう考えています」
と書いた方が、評価が上がるケースもあります。
全部「はい」で、後から事故が起きる方が、よほど信用を失います。
「対策済み」と言い切れる会社・言えない会社の比較
| 項目 | 言い切れる会社 | 危ない会社 |
|---|---|---|
| 管理 | 誰が何を管理しているか決まっている | なんとなく誰かがやっている |
| ルール | 簡単でも社内で共有されている | 頭の中だけで存在している |
| 説明 | 聞かれたら答えられる | 聞かれると詰まる |
| 調査票 | 一部「いいえ」も含めて正直 | 全部「はい」で中身がない |
調査票対応を「毎回のストレス」にしないために
一度、社内で棚卸しする
調査票が来るたびに慌てるのは、準備がないからです。
一度だけでいいので、現状を整理してください。
何ができていて、何ができていないのか。
それを社長自身が把握するだけで、景色が変わります。
外に頼るのも選択肢
正直、全部を社長一人で判断するのはしんどいです。
ITが得意じゃなければ、なおさら。
第三者の視点で「ここまでは大丈夫」「ここは注意」と整理してもらうと、調査票対応が一気に楽になります。
まとめ:社長が明日やるべき一歩

まずは、次の3つだけで構いません。
- 調査票で聞かれている項目を一覧で見る
- 「説明できるか?」で丸×をつける
- ×の中で一番危ないものを一つ決める
これだけで、「なんとなく不安」は、かなり整理されます。
嘘をつかない会社は、結果的に一番強いです

