補助金ありきでUTMを選ぶと「安物買いの銭失い」に?IT導入補助金で後悔しないための採択優先順位

「補助金が出るなら、とりあえずUTM入れておこうか」
正直、この一言から始まる失敗、現場で何度も見てきました。

・申請は通ったけど、正直何を守っているのか分からない
・管理画面が難しくて、誰も触らなくなった
・結局“全部許可”のまま運用されている
・業者に聞かないと設定変更もできない
・更新費用を見て、胃が痛くなった
・「これ、本当に必要だった?」と誰も答えられない

  • 補助金が出る=正解だと思っている
  • 高い機械=安心だと勘違いしている
  • 「UTMなら全部守ってくれる」と思っている
  • 社内で誰も説明できないまま導入している
  • ベンダー任せで内容を把握していない

どれか一つでも「うちだ…」と思ったら、この記事は他人事じゃありません。

この記事では、IT導入補助金を使ってUTMを検討する際に、社長が最初に確認すべき“採択より大事な優先順位”を、失敗事例ベースで整理します。

目次

補助金が出るからUTMを選ぶ、が一番危ない理由

Man touching a data security concept on a touch screen

「採択された=正しい投資」と思い込んでしまう

IT導入補助金は、あくまで「制度に合っているか」を見る仕組みです。
「その会社に本当に合っているか」「運用できるか」までは見てくれません。

ここを勘違いすると、「通ったからOK」という空気が社内に広がります。
結果、誰も疑問を持たず、そのまま導入が進みます。

現場では「補助金出てるし…」が合言葉になり、後戻りできなくなるケースが本当に多いです。

価格が半分になると、判断基準が一気にズレる

補助金で自己負担が半分以下になると、人は冷静な比較をやめます。
本来なら「高いな」「うちには過剰かも」と思うUTMでも、急に安く見えてしまう。

でも、運用コスト・更新費用・保守契約は補助金対象外です。
数年後に効いてくるのは、ここです。

「とりあえず入れる」が一番ムダになる

UTMは入れただけでは意味がありません。
設定して、更新して、見直して、初めて守りになります。

ところが補助金ありきだと、「導入」がゴールになりがちです。
この時点で、すでに失敗コースに片足突っ込んでいます。

補助金は“判断を楽にする道具”ではありません。判断を間違えると、失敗を加速させます。

UTMは「万能な箱」ではないという現実

UTMを入れても、防げない事故は普通にある

UTMは入口対策の集合体です。
怪しい通信を止めたり、ウイルスを検知したりはします。

でも、社内で起きる事故すべてを防げるわけではありません。
USBの持ち込み、内部不正、設定ミス。これはUTMの外側です。

「UTM入れてるから大丈夫」という言葉ほど、現場で怖いものはありません。

社長が誤解しやすいポイント

よくあるのが、「UTM=全部入り=安心」という思い込みです。
実際は、どの機能を使っているか次第です。

高機能でも、設定が甘ければ意味がありません。
逆に、必要最低限でも、ちゃんと運用できていれば十分なケースもあります。

現場でよくある失敗例

・最初に業者が設定したまま3年放置
・アラートが出ても誰も見ない
・危ない通信を止めすぎて業務が止まる

この状態、実はかなり多いです。

UTMは「置き物」ではありません。運用できないUTMは、ただの高価な箱です。

IT導入補助金でUTMが採択されやすい理由

Closeup business people hands typing on keyboard computer desktop for using internet, searching data, working, writing email.

制度上「分かりやすいIT投資」だから

UTMは「セキュリティ対策」という分かりやすい名目があります。
補助金の書類上も説明しやすく、採択されやすい。

ここが落とし穴です。
採択されやすい=自社に最適、ではありません。

ベンダー主導で話が進みやすい

補助金申請は、実質ベンダーが主導します。
社長は「ここにハンコください」になりがちです。

その結果、比較検討が浅くなります。
「他に選択肢は?」という話が出ないまま決まる。

優先順位が逆転しやすい

本来は、
「何が困っているか」→「何が必要か」→「補助金が使えるか」
の順です。

でも現実は、
「補助金がある」→「何か入れよう」→「UTMにしよう」
になりがちです。

採択されやすさと、失敗しにくさは、まったく別物です。

後悔しないためのUTM採択優先順位

① 社内で説明できるか

社長自身が「これは何をする機械か」を説明できないなら要注意です。
難しい言葉はいりません。

「ここから変な通信を止める」
「怪しいサイトに行かせない」
このレベルでOKです。

② 運用する人が決まっているか

「情シスがいない」は前提です。
では誰が見るのか。社長か、総務か、外部か。

ここが曖昧なUTMは、ほぼ確実に放置されます。

③ 更新・保守費用を理解しているか

初期費用だけ見ていると危険です。
毎年かかる費用、3年後の更新、全部確認してください。

④ 今の規模に合っているか

従業員20人の会社に、大企業向けUTM。
正直、オーバースペックなことが多いです。

判断軸良い状態危ない状態
説明社長が口頭で説明できる業者に聞かないと分からない
運用担当者が明確誰も見ていない
費用数年先まで把握初期費用しか見ていない

優先順位を守るだけで、「補助金UTM失敗」はかなり防げます。

それでもUTMを入れるなら、社長がやるべき確認

「これ、無くても困らない機能はどれ?」と聞く

営業資料には、全部必要そうに書いてあります。
あえて聞いてください。

「これ無くしたら、何が困ります?」
この一言で、本当に必要な機能が見えます。

「設定変更は自分でできる?」を確認する

社内で触れないUTMは、運用できません。
画面を見せてもらってください。

「他社ではどう運用している?」と事例を聞く

同規模・同業種の事例が出てこない場合、要注意です。
机上の話だけで進んでいる可能性があります。

納得できないまま進めるUTM導入は、ほぼ後悔します。

まとめ:社長が明日やるべき一歩

まずは、今検討しているUTMについて、紙に3つ書いてください。

  • これは何を守る機械か
  • 誰が見るのか
  • 毎年いくらかかるのか

この3つがスッと出てこなければ、立ち止まるサインです。

補助金はチャンスですが、判断を他人に預けた瞬間にリスクになります。社長の頭で理解できないIT投資は、やらない方が安全です。

この内容を社内マニュアル化し、「補助金×IT導入」の判断基準として残すことをおすすめします。

この記事を書いた人

大手OA機器会社出身のメンバーを中心に、中小企業のIT領域をトータルで支援。現場での導入・施工経験に基づき、UTMやWi-Fiなどのネットワーク機器の選び方を発信。現在も現場の最前線で、企業のITインフラ構築に携わっています。

目次