正直、この話は何度も書くか迷いました。
でも、現場で何度も見てきたので、やっぱり書きます。
ある日、いつも通り会社のメールを開いた社長。
件名は「【至急】請求書のご確認のお願い」。
差出人も、文面も、ロゴも、全部いつも通り。
「ああ、あの取引先か」と思って、添付ファイルを開いた。
それだけです。
結果、数日後に起きたのはこんな事態でした。
- 社内のパソコンが次々と固まる
- 共有フォルダが開かない
- 取引先に怪しいメールが一斉送信される
- 経理データが消える
- 「御社からウイルスが来た」と電話が鳴り止まない
しかも、加入していたサイバー保険は支払い対象外。
理由は「対策の不備」でした。
社長はこう言いました。
「ちゃんと保険入ってたのに…正直、胃が痛くなりました」
この記事では「なぜ保険が下りなかったのか」「社長が今日から何を確認すべきか」を、現場の実例ベースで整理します。
なぜ「たった1通のメール」で会社が止まるのか

ウイルスメールはもう「怪しくない」
昔のウイルスメールって、正直わかりやすかったんです。
日本語がおかしい、差出人が意味不明、明らかに怪しい。
でも今は違います。
実在する会社名、実際の担当者名、過去のやり取りを引用してくる。
社長や経理が「疑わない前提」で開いてしまうレベルまで来ています。
現場では「これ、見抜けた人いる?」という声が普通に出ます。
添付ファイルを開いた瞬間に起きていること
ファイルを開いた瞬間、裏でプログラムが動きます。
本人は請求書を見ているつもりでも、裏では侵入が始まっています。
この時点で、ウイルスは社内を静かに巡回します。
共有フォルダ、他のパソコン、メールアドレス帳。
社長が気づく頃には「もう中にいる」状態。
ここが一番怖いところです。
被害は「自社」だけで終わらない
取引先に迷惑をかける現実
感染すると、自社から取引先へウイルスメールが送られます。
しかも「御社名義」で。
これ、想像以上にダメージが大きいです。
「あの会社、管理甘いよね」と一瞬で広まります。
現場では、これをきっかけに取引停止になったケースもありました。
信用回復にかかる時間とコスト
復旧作業はもちろんですが、説明・謝罪・報告が延々続きます。
社長の時間が丸ごと消えます。
「うちは被害者なんです」と言っても、通じません。
取引先から見れば「原因を出した側」です。
この精神的ダメージ、正直かなりきついです。
サイバー被害は「信用事故」でもある、という現実
サイバー保険が下りなかった理由

保険は「何でも補償」ではない
ここ、社長が一番誤解しやすいところです。
サイバー保険は魔法ではありません。
約款には必ず「最低限の対策」が書かれています。
それをしていないと、支払い対象外になります。
今回のケースも、まさにそこでした。
実際に指摘された「対策の不備」
・ウイルス対策ソフトが古いまま
・OSの更新が止まっていた
・メールの添付ファイル制限なし
社長は「そんな細かいところまで見るの?」と驚いていました。
でも、保険会社は必ず見ます。
よくある社長の勘違い
「うちは小さい会社だから狙われない」
これは本当によく聞きます。
でも、実際に狙われるのは中小企業です。
理由は単純。
対策が甘く、侵入しやすいから。
現場では「名簿をばらまく踏み台」にされるケースが多いです。
「ITは業者に任せている」
これも要注意です。
業者任せ=責任も業者、ではありません。
最終責任は会社、つまり社長です。
保険も、取引先も、そこしか見ません。
今すぐ社長が確認すべきポイント

メール対策はどうなっているか
添付ファイルは誰でも開ける状態か。
怪しいメールを止める仕組みがあるか。
これはIT用語を知らなくても確認できます。
「これ、誰が管理してる?」と聞くだけです。
保険の約款を一度だけ読む
全部読む必要はありません。
「補償対象外」の項目だけでいいです。
そこに書いてある対策、やっていますか。
やっていなければ、今は無保険と同じです。
| 状態 | リスク |
|---|---|
| 対策あり・保険条件クリア | 被害時も立て直せる |
| 対策なし・保険未確認 | 全額自腹・信用低下 |
確認するだけで、未来は大きく変わります
まとめ:社長が明日やるべき一歩

難しいことをする必要はありません。
- 今のメール対策を「説明してもらう」
- サイバー保険の対象条件を確認する
- 「うちは大丈夫」と言わず、疑う
これだけで、かなりの事故は防げます。
正直、何も起きていない今が一番安いタイミングです。起きてからでは遅い。

