リース期間が終わる頃になると、決まって営業担当から電話が来ますよね。「社長、今の機器を再リースにすれば、月額料金がこれだけ安くなりますよ」と。正直、固定費が下がるのは嬉しいですし、わざわざ新しい機械に入れ替えるのも面倒。そのままハンコを突きたくなる気持ち、痛いほど分かります。
でも、ちょっと待ってください。セキュリティ機器の世界で「古いものを使い続ける」というのは、例えるなら「10年前のスマホで最新のゲームを動かそうとする」ようなものです。動きはガタガタ、いつ壊れてもおかしくない。そんな状態の城門で、大切な会社のデータを守れるでしょうか。再契約を選んだ結果、待っているのはこんな最悪の未来かもしれません。
「安くなるから再契約」が、会社を壊す引き金になる
- 最新のウイルス「Emotet」にあっさり侵入され、取引先にウイルスメールをばら撒いてしまう
- 「最近ネットが遅いな」と思っていた原因が、実は古いUTMの処理能力不足だったと判明する
- 月曜の朝一番に機器が故障し、社内のインターネットが全停止。丸一日仕事にならない
- メーカーのサポートが終わっていて、壊れたのに対処法がないと突き放される
- 結果的に、最初から新調しておけばかからなかった「特急修理費用」で大赤字になる
私自身、再リースを選んだ半年後に機器がパンクし、社長から「あの時なんで止めてくれなかったんだ」と泣きつかれた現場を何度も見てきました。そんな時、本当に胃がキリキリします。
この記事では、再契約(再リース)がなぜ「目先の節約、将来の大損」になるのかを紐解き、社長が次に取るべき正しいアクションを具体的に提示します。
再リースは「延命」ではなく「放置」という名のギャンブルです

5年前の「守り」は、今の泥棒には通用しません
なぜ再リースが危ないのか。それは、セキュリティ機器が「生もの」だからです。5年前、世界を騒がせていたウイルスと、今のウイルスは全くの別物。UTMの心臓部であるCPUも、5年前のスペックでは今の高度な暗号化通信を解析しきれません。箱は動いていても、中身の検査機能が追いつかず、ウイルスを素通りさせているケースが本当に多いんです。
社長が誤解しやすい「壊れていないから大丈夫」という罠
よく社長から「電気がついてるし、ネットも繋がってるから壊れてないでしょ」と言われます。でも、ハードウェアには物理的な寿命があります。特にUTMは24時間365日、常に通信を監視して熱を持ち続けています。コンデンサという部品が膨らみ、基板が悲鳴を上げているのに、表面上は平気な顔をしている。これが一番怖いんです。ある日突然、前触れもなくプツンと切れます。
現場でよくある実例ですが、再リースに切り替えた直後の夏場、オフィスのエアコンを切った夜間に熱暴走。翌朝、出勤した社員全員が「ネットが繋がらない」と大騒ぎ。結局、最新機を急いで手配しても届くまでに3日かかり、その間の業務停止による損失はリースの差額分を優に超えてしまいました。
再リースで浮く数千円のために、会社全体の業務停止リスクを背負うのは割に合いません
営業担当が「再リース」を熱心に勧めてくる裏事情
手間をかけずに利益だけが残る「美味しい仕事」
これ、業界の裏側をぶっちゃけると、販売会社にとって再リースはめちゃくちゃ「美味しい」んです。新しい機械を売るには、社長を説得し、工事の段取りを組み、古い設定を移し替えるという手間がかかります。でも、再リースなら書類にハンコをもらうだけ。営業マンの成績にもなるし、会社としては仕入れ原価ゼロで利益が入る。だから彼らは笑顔で勧めてくるんです。
「古いから守れない」とは口が裂けても言わない
営業担当は「安くなりますよ」とは言いますが、「最新の攻撃には対応できませんよ」とは言いません。なぜなら、それを言ったら新調を提案しなければならず、価格が高くなって失注するリスクがあるからです。社長が「安さ」を求めていると分かれば、彼らはリスクには目を瞑り、要望通りの「安さ」だけを差し出します。これが現場で起きている「ハンコだけ」の契約の正体です。
最新UTMへの新調で「失われていた利益」を取り戻す

セキュリティだけじゃない。仕事のスピードが爆速になる
古いUTMを使い続けるデメリット、実はセキュリティ以外にもあります。それが「通信速度の低下」です。数年前と今では、動画会議やクラウドソフトの使用頻度が全く違います。古い機種は、今の大量の通信データをさばくように作られていません。社員が「なんか最近ネットが重いな」と感じているなら、それは古いUTMがボトルネックになっている証拠。最新機に替えるだけで、生産性が一気に上がることも珍しくありません。
結局いくら?新調時の「実勢価格」の目安
社長が一番気になるのは「で、新しくしたらいくらなの?」という点ですよね。リース会社や販売店は、前回の契約金額をベースに見積もりを作ってきますが、実はUTMの相場は5年前より透明化されています。例えば、小規模拠点向けなら月額1万円台から最新機が導入できるケースも多いです。再リースで数千円にするか、1万円強で最新の安心と速度を手に入れるか。経営判断としては後者の方が圧倒的に賢い選択です。
故障した時の「絶望」をシミュレーションしてみる
部品がない、サポートがない、誰も助けてくれない恐怖
多くのUTMは5年から6年で「メーカーサポート終了(EOL)」を迎えます。再リースの期間中にこの期限が来ると、どうなるか。万が一故障しても、交換するための部品が世界中のどこにも在庫がない、という状況に陥ります。さらに、ウイルスのパターンファイル(辞書)の更新も止まり、ただ電気を食うだけの「ただの箱」と化します。この状態で月額を払い続けるのは、ドブに金を捨てるのと同じです。
会社が止まるコストは、1時間あたりいくらですか?
ネットが止まれば、メールは送れない、受注は見られない、請求書も作れない。10人の社員が1日何もできずに遊んでしまったら、人件費だけで十数万円の損失です。取引先からの信用失墜まで含めたら、その額は計り知れません。最新機への新調コストは、こうした「万が一の巨大な損失」を防ぐための、最も費用対効果の高い投資なんです。
再リースと新調、結局どっちが「正解」か
| 比較項目 | 再リース(延命) | 最新機へ新調 |
|---|---|---|
| 月額コスト | 非常に安い(数千円程度) | 標準的(1万円代〜) |
| 防御力 | 5年前の基準。最新ウイルスに弱い | 最新の脅威に完全対応 |
| 通信速度 | 古いCPUが足を引っ張り、遅い | 高速処理で業務がスムーズ |
| 故障リスク | 非常に高い(サポート切れの懸念) | 新品・メーカー保証付きで安心 |
| 結論 | 「安物買いの銭失い」になるリスク大 | 経営の安定を考えれば一択 |
表で見れば一目瞭然です。再リースは「今すぐ出ていくお金」は減りますが、それ以外のすべての項目でマイナスを背負うことになります。逆に新調は、適正なコストを支払うことで、安全、速度、そして「安心」という経営に不可欠な要素をすべて最新の状態にアップデートできるんです。
まとめ|明日からできる「失敗しない」第一歩
もし今、手元に「再リースの案内」や「新調の見積書」があるなら、まずは今日、今の機械の「型番」をチェックしてみてください。そして、その型番をネットで検索するか、我々のデータベースで調べてみてください。もし「サポート終了」の文字が見えたら、それは再契約してはいけないという、メーカーからの警告です。
IT担当者がいない中小企業の社長にとって、機器の選定は孤独な作業かもしれません。でも、営業マンの言いなりになる必要はありません。今の相場を知り、他社の事例を参考にすれば、必ず「安くて安全な正解」が見つかります。分からないことがあれば、いつでも私に相談してください。裏側、全部教えますから。
「安さ」ではなく「会社の未来」を守るためのハンコを突いてください。

