物流倉庫でよく聞く相談があります。
「ハンディ端末のWi-Fiがすぐ切れるんだよ」
現場の方はイライラ。
ピッキング作業は止まる。
在庫確認も遅れる。
正直、この問題。
ITの問題というより「倉庫の構造」の問題だったりします。
特に多いのが、これです。
- ハンディ端末が棚の奥で通信できない
- 通路を歩くと急に通信が切れる
- 在庫登録が途中で止まる
- Wi-Fiアンテナを増やしたのに改善しない
- 午前は大丈夫なのに午後だけ不安定
- システム会社に相談しても原因が分からない
社長、ここで一つ聞きたいんです。
倉庫の棚、金属ラックじゃないですか?
実はこれ、電波にとってかなり厄介な存在です。
金属は電波を通さないだけじゃありません。
反射して迷子にさせるんです。
つまり
「Wi-Fiが弱い」のではなく
「電波が迷っている」状態。
この状態を放置すると、現場ではこうなります。
- ピッキング速度が落ちる
- 誤出荷の原因になる
- 作業員のストレスが増える
- WMS(倉庫管理)の入力ミスが増える
- 最終的に「システムが使いにくい」と言われる
でも安心してください。
この問題、
Wi-Fiの置き方を変えるだけで改善するケースがほとんどです。
倉庫でWi-Fiが切れる本当の原因と、社長でも判断できる改善ポイントを理解すること
物流倉庫でWi-Fiが切れる本当の理由

金属ラックは電波を「反射」する
まず一番多い原因。
それが金属ラックです。
Wi-Fiの電波は、壁を多少は通ります。
でも金属は別です。
金属に当たると
- 反射する
- 電波が跳ね返る
- 別方向へ飛ぶ
つまり電波がまっすぐ届かない。
倉庫は金属ラックが並びます。
これ、言い方を変えると
電波の迷路です。
実際の現場では、こういう声が出ます。
「同じ場所なのに通信できたりできなかったりする」
それは電波が反射して、場所によって強さが変わるからです。
アクセスポイントが天井だけにある
もう一つ多いのがこれです。
Wi-Fiアンテナ(アクセスポイント)を
事務所と同じ感覚で設置しているケース。
事務所なら問題ありません。
でも倉庫は違います。
倉庫では
- ラックが高い
- 通路が長い
- 金属が多い
つまり、天井から電波を出しても
棚で遮られるんです。
結果として
通路はOK、棚の奥はNG
こういう状態になります。
電波の重なり(干渉)が起きている
意外と多いのがこれです。
「Wi-Fi弱いから増やそう」
これは半分正解、半分危険です。
Wi-Fiが増えすぎると
- 電波同士がぶつかる
- 通信待ちが増える
- 速度が落ちる
これを専門用語で「干渉」と言います。
倉庫では特に起きやすい現象です。
倉庫Wi-Fiのトラブルは「弱い電波」ではなく「迷う電波」と「ぶつかる電波」が原因になっているケースがほとんどです

社長がまず確認すべき倉庫Wi-Fiチェックポイント
アクセスポイントはどこに付いているか
まず社長が見てほしいポイント。
Wi-Fiのアンテナ、
どこに付いていますか?
よくあるのは
- 天井
- 事務所の壁
- 倉庫入口
もしこれだけなら、
かなり高い確率で電波不足です。
倉庫では
「通路ごとに電波」
この考え方が必要です。
ラックの高さとWi-Fiの高さ
次に見てほしいのが高さです。
倉庫ラックは
- 4m
- 6m
- 10m
こういう高さがあります。
でもWi-Fiは天井15m。
これ、どうなると思いますか?
電波はラックの壁にぶつかります。
つまり棚の奥まで届きません。
ハンディ端末のアンテナ性能
もう一つ誤解されやすい点。
ハンディ端末は
スマホより電波が弱い場合があります。
つまり
スマホOK
ハンディNG
という現象が起きます。
現場でよく聞くのが
「スマホはつながるのに」
これは普通に起きます。
倉庫Wi-Fiの正しいアクセスポイント配置

通路ごとに電波を作る
倉庫Wi-Fiの基本はこれです。
通路単位の電波設計
つまり
- 通路に沿って設置
- 棚の横に配置
- 高さを合わせる
この配置にすると
電波が通路をまっすぐ進みます。
これが一番安定します。
天井ではなくラック横設置
物流現場で効果が高いのはこれ。
ラック横設置です。
高さ3〜5mくらい。
この高さにすると
- 通路全体に届く
- 棚奥にも届く
- 反射が減る
倉庫Wi-Fiの改善で
一番多い成功パターンです。
APは増やせばいいわけではない
Wi-Fi改善でありがちな誤解。
「アンテナ増やせば解決」
これは半分正解です。
でも
配置が悪いまま増やすと
- 干渉
- 通信待ち
- 接続不安定
むしろ悪化します。
倉庫Wi-Fiは「数」ではなく「位置」で決まります

危ないWi-Fi構成と理想構成の違い
| 危ない構成 | 安定する構成 |
|---|---|
| 天井APだけ | 通路AP配置 |
| 事務所中心設計 | 倉庫専用設計 |
| AP追加だけ | 電波設計あり |
| スマホで確認 | ハンディ実機確認 |
| 電波強度のみ | 通信安定性重視 |
事務所Wi-Fiの延長で設計している
これは本当に多いです。
ネット業者は
事務所のWi-Fi設計は得意です。
でも倉庫は別物。
金属ラックがある時点で
設計の考え方が変わります。
電波調査をしていない
Wi-Fiは
設置して終わりではありません。
本来は
- 電波測定
- 配置設計
- 実地テスト
この3つが必要です。
これを省くと
「運任せWi-Fi」になります。

社長が明日できるWi-Fi改善アクション

まず現場を歩いてみる
一番簡単な方法。
社長自身で倉庫を歩いてください。
そして現場に聞く。
- どこで切れる?
- どの棚?
- 何時頃?
これだけで原因のヒントが見えます。
Wi-Fi機器の型番を確認する
次にやるべきこと。
Wi-Fi機器の型番確認です。
実は
- 家庭用Wi-Fi
- オフィス用Wi-Fi
- 業務用Wi-Fi
この3種類があります。
倉庫で家庭用Wi-Fi。
これ、かなり多いです。
電波マップを作る
できれば一度、
電波マップを作ってください。
これは
- どこが強い
- どこが弱い
- どこが切れる
を見える化する作業です。
これをやるだけで
「APどこに置くか」
が分かります。
まとめ:倉庫Wi-Fiは構造で決まる

倉庫Wi-Fiのトラブルは
システムでも
回線でもありません。
倉庫の構造です。
特に
- 金属ラック
- 高い棚
- 長い通路
この3つがそろうと
電波は簡単に迷子になります。
だからこそ
大事なのは
- 通路設計
- 高さ設計
- 干渉対策
この3つです。
もし今、現場で
「またWi-Fi切れた」
という声が出ているなら、それはシステムの問題ではありません。
Wi-Fiの設計を見直すサインです。
社長、まず倉庫を一周して「どこでWi-Fiが切れるか」現場に聞いてください。そこが改善のスタート地点です。

