請求書PDFをメール受信したら即NAS保存は危険?電帳法対応で止まりやすい業務フローと失敗例

「請求書PDFはNASに入れておけば大丈夫ですよ」

電帳法対応の相談で、実際によく聞く言葉です。

しかし現場では、この“とりあえずNAS保存”が原因で、

  • 請求書PDFをメール添付で受け取っている
  • 保存先がNAS・共有フォルダ・個人PCでバラバラ
  • ファイル名ルールが担当者ごとに違う
  • バックアップ確認を最後にした時期を覚えていない
  • VPN経由で経理がアクセスしている
  • NAS導入時の初期設定を業者任せにしている

といった問題が実際に起きています。

特に社員10〜100名規模の企業では、情シス専任がいないため、「NASを買った=電帳法対応完了」と誤解したまま運用が始まり、そのまま数年放置されるケースが少なくありません。

さらに危険なのが、“業者によって説明内容がかなり違う”ことです。

ある業者は「NASで十分」と説明し、別の業者は「クラウド必須」と言います。さらに高額なUTMや保守契約がセットになり、何が本当に必要なのか分からないまま契約してしまう企業も多いです。

この記事では、「請求書PDFを受信してから保存・検索・バックアップまで」、中小企業で実際に止まりやすい電帳法対応フローと、見積もり時に確認すべきポイントを整理します。

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目次

請求書PDFを「NAS保存だけ」で終わらせる企業が多い理由

NAS保存
NAS with 6 disks on the wooden table, 3D rendering

NASを入れると“対応済み”に見えてしまう

現場では、「NASを導入したので電帳法対応も完了しました」という認識になっている企業が非常に多いです。

しかし実際には、NASは“保存場所”でしかありません。

電帳法対応で問題になる事例

・検索できるか
・改ざん防止をどうするか
・取引日や金額で抽出できるか
・誰が保存したか管理できるか

という“運用ルール側”です。

特に危険なのが、「受信メールを開いてPDFをドラッグ保存」で運用が始まるケースです。担当者が変わった瞬間に、保存場所もファイル名も崩れます。

結果として、「請求書があるはずなのに見つからない」が実際に起きます。

情シス不在企業ほど属人化しやすい

社員30名未満の企業では、経理担当者や総務担当者がそのままNAS管理を兼務しているケースが多いです。

すると、

・NASの容量確認
・バックアップ確認
・VPN管理
・アクセス権設定

まで現場担当者任せになります。

ここでよく起きるのが、「誰も設定を理解していない状態」です。NAS障害時に、管理画面のログイン情報が分からず、復旧業者を呼ぶケースも珍しくありません。

NASは“電帳法対応製品”ではなく、あくまで保存基盤です。実際に問題になるのは、その後の保存ルールと運用です。

電帳法対応で実際に止まりやすい業務フロー

メール受信後の保存ルールが曖昧

もっとも多いのが、「保存ルールが担当者依存」になっているケースです。

実際の現場でよく見るファイル名

・2026_05_請求書A.pdf
・株式会社◯◯請求.pdf
・scan001.pdf

このように、ファイル名が統一されていません。

これでは検索性が崩れます。監査時に「取引先名」「日付」「金額」で探せず、結局メールを遡る企業もあります。

NAS容量不足で保存先が分散する

古いNASを使い続けている企業では、容量不足も頻発します。

すると、古い請求書は別NASに移動、一部はUSB保存、実は個人PCにも残存、という状態になります。

この状態で担当者退職が重なると、請求書データが実質消失します。

実際、共有フォルダの場所を誰も把握できず、税理士対応で数日止まるケースもあります。

VPN障害で経理業務が停止する

テレワーク環境では、VPN経由でNASに接続している企業も多いです。

しかし、ここで古いVPN機器を使い続けていると、通信断や接続不良が起きます。

特に多いのが、RTX810・古いUTM・サポート終了機器です。VPNが止まると、請求書確認も保存もできなくなります。

経理だけでなく、承認フロー全体が止まる企業もあります。

「NASは動いているのに仕事が止まる」原因の多くは、VPNやネットワーク機器側です。

NAS保存だけでは防げないランサム被害

ランサム被害
Ransomware Cyber Malware Attack. Ransom Virus Screen

共有フォルダ暗号化は実際によく起きる

「NASだから安全」という認識も危険です。

実際には、ランサム被害で共有フォルダ全体が暗号化されるケースがあります。

実際の現場

・全社員にフルアクセス
・古いNAS OS
・UTM未導入
・VPN設定が弱い

という企業は危険です。

請求書PDFもまとめて開けなくなります。

ここで問題になるのが、「バックアップも同時接続されていた」ケースです。バックアップNASまで暗号化され、復旧不能になる企業もあります。

バックアップ確認をしていない企業が多い

「バックアップは取っています」という企業でも、実際に復元確認までしているケースは少数です。

現場では、

・設定だけ存在
・数ヶ月失敗していた
・容量不足で停止

という状態が珍しくありません。

NAS導入時だけ設定し、その後一度も確認していない企業も多いです。

構成実際の危険性
NAS1台のみ故障・暗号化で即停止
NAS+同一LANバックアップランサムで同時被害の可能性
NAS+世代管理バックアップ復旧可能性が高い
NAS+クラウドバックアップ災害・物理障害にも強い

電帳法対応で本当に止まりやすいのは、“保存”ではなく“復旧できない状態”です。

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見積もりで費用が膨らみやすいポイント

「電帳法対応パック」で高額化する

最近増えているのが、“電帳法対応一式”としてまとめ販売されるケースです。

しかし内訳を見ると、

・高額UTM
・過剰容量NAS
・不要クラウド
・高額保守

が含まれていることがあります。

社員20名規模なのに、100名超向け構成が提案されることもあります。

特に「将来拡張」を理由に高額化する提案は注意が必要です。

VPN設定費が業者で大きく違う

VPN設定費は業者差が非常に大きいです。

実際には、5万円前後〜15万円超、また保守込みで月額化など幅があります。

しかも、「何を設定するか」が見積書に書かれていないこともあります。

VPNユーザー数、拠点数、接続方式で工数は変わります。

しかし詳細説明なしで一式請求されるケースも多いです。

保守契約が実質“駆けつけ保険”になっている

保守契約も注意が必要です。

実際には、

・電話受付だけ
・平日日中のみ対応
・代替機なし

という内容でも月額数万円かかることがあります。

特にNAS保守は、“何時間止まると困るか”で必要性が変わります。

数日停止しても問題ない企業と、半日停止で業務停止する企業では、適正保守が違います。

項目相場感
小規模NAS本体8万〜20万円
初期設定3万〜15万円
VPN設定5万〜20万円
UTM導入15万〜80万円
UTM保守月1万〜5万円
5年リース総額総額1.3〜1.8倍になりやすい

「電帳法対応だから高額になる」のではなく、“どこまで必要か曖昧なまま契約する”ことで費用が膨らみやすくなります。

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NAS・UTM・クラウドの役割を混同すると失敗しやすい

役割を混同すると失敗しやすい

UTMは“保存機器”ではない

現場では、「UTMを入れたから安全」という誤解も多いです。

UTMは通信防御が主目的です。請求書保存やバックアップ管理をする機器ではありません。

しかし営業提案では、全部まとめて“セキュリティ対策”として説明されることがあります。

結果として、「何のために契約したのか」が曖昧になります。

クラウド保存にも弱点はある

逆に、「全部クラウド化すれば安心」という考え方も危険です。

実際には、

・アクセス権設定ミス
・退職者アカウント放置
・誤削除
・同期ミス

などが起きます。

特に共有リンク管理が曖昧な企業では、請求書情報が外部閲覧可能になるケースもあります。

“クラウドだから安全”ではなく、“運用できるか”が重要です。

「保存」「通信防御」「バックアップ」を別々に考えると、過剰提案かどうか判断しやすくなります。

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電帳法対応で本当に確認すべきポイント

まず確認すべきは“保存ルール”

最初に確認すべきなのは、NAS型番ではありません。

・誰が保存するか
・ファイル名ルール
・検索方法
・保存期限
・バックアップ確認方法

ここが曖昧なまま機器だけ導入しても、運用は崩れます。

実際、電帳法対応で止まる企業の多くは、“ルール未整備”です。

5年後まで含めて考える

もう1つ重要なのが、5年後です。

NASやUTMは導入して終わりではありません。保守更新、HDD交換、VPN更新、ライセンス更新が発生します。

ここを見ずに「月額1万円だから安い」で契約すると、後から総額が膨らみます。

特にリース契約では、中途解約不可のケースも多いため注意が必要です。

“今の提案が適正か”を比較できる状態が重要

現場では、「何が正しいか分からない」が一番多い相談です。

NASが必要なのか、クラウド中心がいいのか、UTMが必要なのかは、企業規模や運用体制で変わります。

しかし実際には、“業者の得意構成”がそのまま提案されるケースも少なくありません。

そのため重要なのは、“提案を鵜呑みにしないこと”です。

今の構成で整理すること
・本当に必要な機器か
・過剰スペックではないか
・保守費が妥当か
・VPN障害時にどうなるか
・バックアップ復旧できるか

一度整理することで不要費用や将来リスクが見えやすくなります。

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まとめ|電帳法対応は「保存先」より“運用設計”で差が出る

電帳法対応の運用設計ポイント

電帳法対応で本当に重要なのは、「NASを導入したか」ではなく、“検索できるか・復旧できるか・運用が属人化していないか”です。

実際の現場では、VPN障害、バックアップ未確認、保存ルール崩壊によって業務停止する企業も少なくありません。

今の構成や見積もりが適正か、一度セカンドオピニオン視点で整理しておくことが、将来のトラブル防止につながります。

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