スペック表の「最大速度」に騙されるな!UTM比較で失敗しない“アンチウイルス起動時の本当の速さ”の見極め方

正直に言います。UTMやアンチウイルスの「最大速度」って、あれを信じて導入すると、あとで胃が痛くなります。
導入前は「うちは速いですよ」と言われていたのに、いざ本番で使い始めたら「あれ、社内ネット遅くない?」となる。現場で何度も見てきました。

社長からよく聞くのは、こんな不安です。

  • 朝イチだけネットが重くて仕事が進まない
  • ウイルス対策入れた途端、PCが固まる
  • 営業から「Zoomが途切れる」とクレームが来る
  • 取引先のファイルがなかなか開かない
  • ベンダーに聞いても「仕様です」で終わる
  • 結局、何が原因か分からないまま我慢している

この状態、放っておくとどうなるか。
仕事のスピードが落ちるだけじゃなく、「あの会社、対応遅いよね」と信用まで削られます。最悪、業務停止や取引見直しの話が出ることもあります。

この記事では「最大速度」という数字に騙されず、アンチウイルスが動いた“本当の遅さ・速さ”を社長自身が見抜ける状態になることをゴールにします

目次

そもそも「最大速度」って、いつの話なのか

カタログの数字は理想状態の話

スペック表に書いてある「最大◯Gbps」。これは、何もしていない状態で、一直線にデータを流したときの話です。
現実の社内ネットは、ウイルスチェックもログ保存も通信の確認も、いろんな処理を同時にやっています。

つまり、社長が見ている数字は「試験会場の100点」、実際の現場は「電話鳴りっぱなしの事務所」。条件が違いすぎます。

ここを勘違いしたまま選ぶと、「思ってたより遅い」が必ず起きます。

アンチウイルスが動いた瞬間が一番重い

特に重くなるのが、ファイルを開く瞬間、メールを受け取る瞬間です。
このとき、UTMは中身を全部チェックしています。

最大速度の数字は、このチェック時間を一切考慮していません。
社長が誤解しやすいポイントです。

現場では「朝イチだけ遅い」「月曜が重い」という形で表に出ます。

最大速度=実務速度ではありません。ここを混同すると失敗します。

アンチウイルス起動時に何が起きているのか

通信は全部、検問所を通っている

UTMは、社内と外の境界に立つ検問所です。
メール、Web、ファイル、全部「中身を見せてください」と止めます。

この検問が優秀なほど安全ですが、処理が追いつかないと渋滞します。

放置すると「安全だけど仕事にならない」状態になります。

暗号化通信が増えて負荷が跳ね上がる

最近のWebはほぼ暗号化されています。
UTMはこれを一度ほどいて中身を見ます。

ここが一番パワーを使うところで、性能差が如実に出ます。

「前は問題なかったのに最近遅い」は、この影響が大きいです。

アンチウイルスが一番働く瞬間を想像すると、性能の見方が変わります。

社長がよく勘違いするUTM比較ポイント

Closeup business people hands typing on keyboard computer desktop for using internet, searching data, working, writing email.

ユーザー数と速度は別物

「50人までOK」と書いてあっても、全員が同時に動いたら別の話です。

実際は、10人同時で限界、という機器も珍しくありません。

営業トークでは触れられにくい部分です。

将来の増加を考えていない

今は20人。でも来年は30人、その次はクラウド化。
この変化を見越さないと、すぐ買い替えになります。

「今足りてるからOK」は、後で必ず後悔します。

「今」ではなく「アンチウイルス全開の未来」で考えるのがコツです。

価格差が出る理由はここにある

中身の処理能力が違う

安いUTMは、最低限の検査だけを高速に回します。
高いUTMは、細かくチェックしても速度を落としません。

この差は、カタログではほぼ分かりません。

ログ保存や管理機能も負荷になる

「あとで確認できる安心感」は、実は裏で処理が走っています。

ここを軽く見ると、いざという時に原因追跡ができません。

比較項目問題が出やすいUTM安心できるUTM
最大速度数字だけ大きい実測値を説明できる
アンチウイルスON時大幅に低下低下幅が小さい
将来拡張想定されていない人数・通信増を考慮

現場で実際にあった失敗例

Man holding warning sign.

導入後に営業が一斉に不満

「メールが遅い」「添付が開かない」。
社長は板挟みになります。

結局、機器を入れ替えることになり、二重コスト。

ベンダーに聞いても解決しない

「仕様です」「設定で調整できます」。
でも、根本性能は変わりません。

最初の選定が全てだった、という結論になります。

後から調整でどうにかなる話ではありません。

社長が今日できるチェック方法

必ず聞くべき質問

「アンチウイルスONで、実測どれくらい出ますか?」
これを数字で答えられない場合、要注意です。

「同規模の会社で使った事例は?」も必須です。

デモ環境で重い操作を試す

ファイル送信、Web会議、同時アクセス。
この3つを同時にやってもらってください。

ここで耐えられない機器は、現場でも耐えません。

「最大速度」ではなく「一番忙しい瞬間」を見せてもらうこと。

まとめ:社長が明日やるべき一歩

まずは、今検討しているUTMについて、
「アンチウイルスON時の実測速度」「同規模事例」を聞いてください。

答えが曖昧なら、立ち止まる勇気も必要です。

速さで失敗するのは、社長の責任じゃありません。でも選び直さないのは、社長の判断です

この記事を書いた人

大手OA機器会社出身のメンバーを中心に、中小企業のIT領域をトータルで支援。現場での導入・施工経験に基づき、UTMやWi-Fiなどのネットワーク機器の選び方を発信。現在も現場の最前線で、企業のITインフラ構築に携わっています。

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