クラウド会計ソフト(freee・マネーフォワード)が重い原因はUTM?通信ログで特定する方法|VPN・Wi-Fi・回線との切り分け手順も解説

「freeeの画面がなかなか開かない」「マネーフォワードで請求書作成中に固まる」「午前中だけ異常に遅い」

こうした相談は中小企業で非常に多く発生しています。

特に社員数10〜100名規模の企業では、クラウド会計ソフトの問題だと思っていたら、実際はUTMやVPN、Wi-Fi機器の設定が原因だったというケースが少なくありません。

経理担当者の作業が止まるだけでなく、月末月初の請求処理や給与処理が遅れれば、取引先対応や資金繰りにも影響します。

この記事では、freeeやマネーフォワードが重くなる本当の原因を通信ログから特定し、不要な機器買い替えや無駄な保守契約を避けるための判断基準を解説します。

クラウド会計ソフトの遅延、正しく把握できていますか?

freee・マネーフォワードが重い原因を、通信ログ・UTM負荷・VPN設定まで含めて確認。
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目次

クラウド会計ソフトが重い原因は本当にUTMなのか

UTMが原因は本当?
partial view of businessman plugging router on office desk

UTMが原因と誤解されるケースが多い

freeeやマネーフォワードが重いとき、最初に疑われやすいのがUTMです。特に「UTMを入れてから遅くなった」「保守業者からUTMの性能不足と言われた」という場合、社内ではほぼUTMが犯人のように扱われます。

たとえば経理担当者のPCだけfreeeが重い場合、UTM全体の問題ではなく、その端末だけがOneDriveやGoogle Driveの同期で通信を使い切っていることがあります。この状態でUTMを交換しても、体感速度はほとんど変わりません。

また、マネーフォワードだけが重いと思っていたら、実際は月末に全社員が請求書・勤怠・経費精算システムへ同時アクセスしており、社内回線全体が詰まっていたという例もあります。

クラウド会計ソフトは業務上目立つため「会計ソフトが遅い」と感じやすいだけで、裏側では社内ネットワーク全体が限界になっていることがあります。

UTMが原因になる代表例

  • 処理性能不足
    →社員数や通信量が増えると、UTM内部の処理が追いつかない
  • SSLインスペクションの設定
    →クラウド会計ソフトや銀行系サイトまで細かく検査対象にしていると、ログインや画面表示に遅延が出ることがある
  • VPN利用が絡む
    →月末の会計処理、請求書発行、在宅勤務者のVPN接続が重なると、UTMの負荷が一気に上がる
  • ライセンス切れや古いファームウェア
    →特定のクラウドサービスとの相性問題が残ったまま

ただし、ここでも「高額な上位機種にすればよい」という話ではありません。社員数、VPN接続数、クラウド利用量、ログ保存期間、保守対応範囲を見ずに上位機種を選ぶと、過剰スペックになります。本体価格だけでなく、設定費、VPN設定費、保守費、ライセンス費、リース総額まで含めて判断する必要があります。

UTMが原因かどうかは、感覚では判断できません。通信ログ、CPU使用率、セッション数、VPN利用状況を確認してから、設定変更で済むのか、機器交換が必要なのかを切り分けるべきです。

通信ログで原因を特定する方法

まず確認すべきは通信量|何に回線を使っているかを把握する

freeeやマネーフォワードが重いと感じたとき、最初に確認したいのが通信ログです。通信ログを見ることで、どの端末がどれだけ通信しているのか、どのサービスが帯域を消費しているのかを把握できます。

多いのがOneDriveやDropbox、Google Driveなどのクラウドストレージです。大量のファイル同期が始まると回線帯域を圧迫し、社内全体の通信速度が低下します。その結果、freeeやマネーフォワードの画面表示やデータ更新が遅くなり、会計ソフト自体が原因だと誤解されてしまいます。

また、NASのバックアップ処理やWindowsアップデートの配信が業務時間中に実行されているケースもあります。このような状態ではUTMを交換しても根本的な解決にはなりません。まずは通信量を可視化し、「何が回線を使っているのか」を把握することが重要です。

特定時間だけ遅い|ログの分散が有効

「毎日9時から10時頃だけ重い」「月末になると極端に遅くなる」といった症状がある場合は、時間帯ごとの通信ログが大きなヒントになります。

中小企業では、出勤直後に全社員が一斉にメールやチャット、クラウドサービスへ接続することがあります。さらにPC起動と同時にクラウド同期やウイルス定義ファイルの更新、自動アップデートが始まると、一時的に通信量が急増します。

利用者からは「クラウド会計ソフトだけが遅い」と見えていても、実際には社内ネットワーク全体が混雑しているケースも珍しくありません。通信ログで時間帯別のトラフィック推移を確認すると、いつ・何が原因で混雑しているのかを客観的に判断できます。

業者が説明しないログ確認ポイント|UTMのCPU使用率やセッション数

通信量だけでなく、UTMのCPU使用率やセッション数も重要な確認項目です。セッション数とは、UTMが同時に処理している通信接続数のことで、クラウドサービス利用が増えるほど数も増加します。

UTMの処理能力を超える通信が発生すると、回線速度自体には問題がなくても通信が詰まり、クラウドサービス全体が遅くなります。利用者からは回線障害やクラウドサービス障害に見えるため、原因の切り分けが難しくなります。

しかし、こうしたCPU使用率やセッション数の確認は見積書や提案資料で説明されないことも多くあります。ログ分析を行わずに機器交換を勧める業者も存在するため注意が必要です。

まずは通信ログを確認し、本当にUTMが原因なのか、それとも別の場所にボトルネックがあるのかを見極めることが、無駄な設備投資を防ぐ第一歩になります。

VPNが原因でクラウド会計が重くなるケース

VPN相関図
Vpn concept on dark background

freeeやマネーフォワードが遅いとき、UTMや回線ばかりに目が向きがちですが、実際にはVPNが原因となっているケースも少なくありません。特にテレワーク環境を整備した企業や、複数拠点をVPNで接続している企業では注意が必要です。

「フルトンネルVPN」と呼ばれる構成

よくあるのが「フルトンネルVPN」と呼ばれる構成です。本来であればクラウド会計ソフトへ直接インターネット接続できるにもかかわらず、一度本社のVPN装置を経由してから外部へ接続する設定になっている場合があります。

この状態では通信経路が遠回りになり、画面表示やデータ更新の速度が低下します。利用者からは会計ソフトの問題に見えますが、実際にはVPN経由の通信設計が原因です。

VPN機器そのものの性能不足

また、VPN機器そのものの性能不足も見落とされがちな要因です。VPNでは通信内容を暗号化・復号化する処理が発生するため、一般的なインターネット通信よりも機器への負荷が高くなります。導入当初は問題がなかったとしても、社員数の増加やテレワーク利用者の増加によって処理能力が限界に近づくことがあります。

特に5年以上前に導入したVPNルーターやUTMでは、現在のクラウド利用環境に性能が追いつかないケースがあります。会計ソフトだけでなく、Microsoft 365、Google Workspace、Web会議、オンラインストレージなども同時に利用されるため、VPN機器にかかる負荷は導入当時より大幅に増えています。

クラウド会計ソフトの遅延、正しく把握できていますか?

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まず確認したい3つのチェックポイント

ポイント①: 他のクラウドサービスも遅くなっていないか確認する

freeeやマネーフォワードが重いと感じた場合、最初に確認したいのは「会計ソフトだけが遅いのか、それとも他のクラウドサービスも遅いのか」という点です。

  • 会計ソフトだけが遅い場合
    →ブラウザ設定やサービス側の障害など別の要因
  • 他のクラウドサービスも遅い場合
    →社内ネットワークやVPN、UTMに原因がある可能性が高い

利用者の体感だけで判断すると原因を見誤りやすいため、まずは複数のクラウドサービスで同様の症状が発生していないかを確認することが重要です。

ポイント②: 症状が発生する時間帯を確認する

次に確認したいのが、いつ遅くなるのかという点です。もし毎日同じ時間帯に発生しているのであれば、ネットワーク負荷が関係している可能性があります。

  • 毎日同じ時間帯
    →ネットワーク負荷、一時的な回線の圧迫
  • 月末や月初だけ症状が発生する場合
    →経理処理や請求業務の集中によってVPNやUTMの負荷

時間帯や発生頻度を把握するだけでも、原因の切り分け精度は大きく向上します。

ポイント③: UTMやVPNの負荷状況を確認する

最後に確認したいのが、UTMやVPN機器の負荷状況です。通信速度測定だけでは判断できないため、管理画面からCPU使用率やセッション数、通信量ログを確認する必要があります。

  • UTMのCPU使用率が常時80〜90%
    →回線速度は十分出ていても、通信処理が追いついていない
  • CPU使用率やセッション数に余裕がある場合
    →UTMやVPNではなく別の場所に原因がある可能性が高い

機器交換を検討する前に負荷状況を確認することで、不要な設備投資を避けやすくなります。

まずは正しく現状を把握する

  • 他サービスの状況
  • 発生時間帯
  • UTM・VPNの負荷状況

この3つを確認するだけで、原因の方向性が見えてくるケースが多くあります。
まずは現状を正しく把握することが、最短で解決するための第一歩です。

まとめ|「会計ソフトが重い」は複数の要因が重なって発生している

クラウド会計の診断プロセス

freeeやマネーフォワードが重くなると、「UTMが古いのではないか」「回線速度が足りないのではないか」と考えがちですが、実際の現場では原因が一つとは限りません。VPNの設定、Wi-Fi環境、クラウドストレージの同期、バックアップ処理、UTMの負荷増加など、複数の要因が重なって発生しているケースも少なくありません。

重要なのは、「会計ソフトが重い」という症状だけで結論を出さないことです。
まずは通信状況を可視化し、どこで遅延が発生しているのかを切り分けることで、不要な設備投資や過剰な提案を避けやすくなります。

もし業者の提案内容や見積もりに不安がある場合は、契約前に第三者の視点で確認し、本当に必要な対策なのかを見極めることが大切です。

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