「10ギガ回線に変えたのに、全然速くならないんだけど…」
これ、ここ1〜2年で本当によく聞く相談です。
社長としては、正直モヤッとしますよね。月額もそれなりに上がっている。営業さんには「爆速になりますよ」と言われた。なのに、社員からは「重いです」「Zoomが止まります」「ファイルが開きません」と不満の嵐。
しかも怖いのは、単なる“遅い”で済まないことです。業務が止まる、納期が遅れる、オンライン商談が途切れる。信用はじわじわ削られていきます。
- 10ギガ回線に変えたのに体感が変わらない
- クラウド会計や共有フォルダが妙に重い
- UTMは5年以上前のまま
- LANケーブルは開業当初から交換していない
- 「回線が悪い」と思い込み、他は見ていない
- 業者に聞いても「問題ない」と言われている
もし一つでも当てはまるなら、原因は“回線”ではない可能性が高いです。
この記事では、10ギガ回線なのに遅くなる本当の理由を分解し、社長が明日確認すべき具体ポイントまで落とし込みます。
なぜ「回線」だけ速くしても意味がないのか

水道を太くしても蛇口が細ければ出ない
よく例えるのですが、回線は“水道管”です。10ギガは、かなり太い水道管です。
でも、社内のLANケーブルやUTMが古いままだと、最後の蛇口が細いままなんです。水は出ません。
社長が誤解しやすいのは「10ギガ=全部10ギガになる」という思い込みです。実際は、途中に1ギガ機器があれば、そこで頭打ちになります。
現場では「契約だけ10ギガ」「社内はほぼ1ギガ」という状態、かなり見ます。
ボトルネックという考え方
専門用語ですが、意味は単純です。「一番遅いところが全体を決める」ということです。
回線が10ギガでも、UTMが1ギガ処理までしか対応していなければ、そこが上限になります。
社員は「なんとなく遅い」としか言いませんが、裏では機械が悲鳴を上げています。
放置すると、通信が詰まり、業務アプリがタイムアウトを繰り返すようになります。
回線ではなく「社内の通り道」を疑うのが第一歩です。

古いLANケーブルが速度を殺す理由
カテゴリーの違いを知らないまま使っている
LANケーブルには種類があります。よく見るのは「CAT5e」「CAT6」などの表記です。
古いCAT5eは、理論上1ギガまでです。10ギガは出ません。
「線でしょ?どれも同じでは?」と思いがちですが、ここが落とし穴です。
実際、オフィス移転時に昔のケーブルをそのまま再利用しているケース、本当に多いです。
見た目では判断できない怖さ
LANケーブルは普通に挿さっていれば使えます。だから問題に気づきません。
でも内部では信号の劣化やエラーが起きています。
遅いだけでなく、パケットロスといって通信の抜けが起きることもあります。
オンライン商談で音が途切れる、ファイルが壊れる。社長の顔が曇る瞬間です。
| 項目 | 問題ない状態 | 危ない状態 |
|---|---|---|
| LANケーブル | CAT6A以上 | CAT5eのまま |
| 長さ | 必要最小限 | 巻いたまま長距離 |
| 劣化 | 3〜5年以内 | 10年以上使用 |
| 配線状態 | 整理済み | 床に這わせっぱなし |
UTMが10ギガに追いついていない現実

UTMは万能ではない
UTMは、社内を守る門番です。ウイルスチェックや不正通信の監視をしています。
でも処理能力には限界があります。
特に5年以上前の機種は、実効スループットが1ギガ未満ということも珍しくありません。
カタログ値だけを見て安心している社長、多いです。
セキュリティ機能をオンにすると遅くなる
UTMは守る機能を増やすほど、処理が重くなります。
アンチウイルス、Webフィルタ、侵入防止。全部オンにすると速度は落ちます。
「守りを強くしたら遅くなった」というのはよくある話です。
だからこそ、10ギガ対応モデルかどうかの確認が必要です。
UTMは“通せる量”を必ず確認してください。
よくある誤解と現場あるある
プロバイダのせいにし続ける
遅いとまず疑われるのが回線会社です。
でも実際に計測すると、外までは速い。社内だけ遅い。
それでも「契約変えれば速くなる」と繰り返す企業もあります。
結果、月額だけ増えて何も改善しない。胃が痛くなります。
「とりあえず再起動」で済ませてしまう
機器を再起動すると一時的に速くなることがあります。
でもそれは、詰まっていたものが一瞬流れただけです。
根本原因は解決していません。
再発を繰り返し、社員の不満が積み重なります。

社長が明日やるべき具体チェック

まずはLANケーブルを見る
配線棚や机の裏を見てください。ケーブルに「CAT」と印字があります。
CAT5eなら、交換候補です。
写真を撮って業者に送り、「10ギガ対応か?」とストレートに聞いてください。
ここは遠慮不要です。
UTMの型番と処理能力を確認
本体に型番シールがあります。
その型番で「スループット」という数値を調べます。
10ギガ契約なのに1ギガ未満なら、完全に詰まりポイントです。
買い替えか設定見直しの検討段階です。
- LANケーブルの種類確認
- UTMの型番確認
- 社内機器の最大速度確認
- 10ギガ対応スイッチか確認
- 速度計測を社内側で実施
「回線」ではなく「社内構成」を洗い出すことが最優先です。
まとめ:回線より“中身”を見る時代

10ギガ回線なのに遅い。その原因は、ほぼ社内にあります。
古いLANケーブル、処理能力不足のUTM、1ギガ止まりのスイッチ。
ここを放置すると、いずれ業務停止レベルのトラブルになります。
逆に言えば、構成を見直せば一気に改善する可能性が高いです。
社長が明日やる一歩はシンプルです。
「うちのUTMとLAN、10ギガ対応?」と担当業者に聞くこと。
それだけで、半分は前に進みます。

