「NASは壊れにくいので保守契約は不要ですよ。」
この説明だけを信じて契約した結果、突然NASが起動しなくなり、共有フォルダへアクセスできず業務が止まってしまう企業は少なくありません。
請求書や図面、顧客データ、会計データまで保存しているNASが停止すると、営業活動だけでなく取引先への納期遅延や信用低下につながるケースもあります。ランサムウェア被害と重なれば、復旧まで数日から数週間かかることも珍しくありません。
この記事では、NAS保守契約が本当に必要な企業、不要なケース、修理費用や見積もりで確認すべきポイントを現場目線で解説します。
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NASの保守契約とは何を保証しているのか

NASの保守契約は、「壊れたときの修理費を安くするための契約」と考えられがちですが、実際にはそれだけではありません。
障害発生時に早く業務を再開できるための保証
重要なのは、障害発生時にどれだけ早く業務を再開できるかという点です。共有フォルダや会計データ、設計図面、顧客情報などをNASで管理している企業では、1日アクセスできないだけでも業務全体が停滞し、納期遅延や取引先への対応遅れにつながることがあります。
一方で、メーカー保証は故障した製品を修理・交換するための制度であり、「業務停止を防ぐサービス」ではありません。修理期間中の代替機提供や現地対応、データ復旧、設定の再構築などは保証対象外となるケースも多く、復旧まで数日から数週間かかることもあります。その間の業務損失は企業側が負担しなければなりません。
具体的な対応の内容は業者によって異なる
例)
- 先出しセンドバック
- オンサイト保守
- 代替機の貸し出し
- 24時間365日対応
- 平日営業時間のみ
- ハードウェア交換だけ
- 設定復旧まで
ただし、「保守契約」と一括りにされていても、契約内容は業者によって大きく異なるため、実際の価値は大きく変わります。

NASが壊れた時に実際に発生する費用
修理費だけでは済まない
NASが故障した際、多くの企業が「本体を修理すれば終わり」と考えています。しかし、実際の現場では本体価格以上に復旧作業の費用が発生するケースが少なくありません。特に社員10〜100名規模で情シス担当者がいない企業では、障害発生後の対応をすべて導入業者へ依頼することになり、想定外の費用が積み重なります。
- 本体交換後にはRAIDの再構築
- 共有フォルダの復元
- アクセス権限の設定
- Active Directoryとの連携確認
- VPN経由で利用している拠点との接続テスト
- バックアップジョブの再設定など
さらに注意したいのが、設定費や復旧作業費はメーカー保証の対象外となるケースがほとんどだという点です。本体は無償交換されても、業者の作業費や出張費、夜間・休日対応費は別途請求される場合があります。見積書では「保守契約あり」と記載されていても、どこまでが契約に含まれているのか確認しないまま契約してしまう企業も少なくありません。
導入から復旧までにかかる費用の目安
NASの導入費用は本体価格だけでは判断できません。例えばSynologyやQNAPの中小企業向けモデルであれば、本体の実勢価格は5万〜18万円程度が目安ですが、実際には初期設定費として3万〜10万円、VPN設定費として2万〜8万円程度が加算されるケースがあります。さらに、クラウドバックアップや監視機能を利用する場合はライセンス費が必要になることもあります。
| 項目 | 一般的な目安 |
|---|---|
| NAS本体価格 | 6万円〜20万円前後 |
| 実勢価格 | 5万円〜18万円前後 |
| 初期設定費 | 3万円〜10万円 |
| VPN設定費 | 2万円〜8万円 |
| 年間保守費 | 2万円〜10万円 |
| ライセンス費 | バックアップ・監視機能により異なる |
| 導入総額 | 12万円〜40万円程度 |
| 月額換算 | 約3,000円〜12,000円程度 |
| 5年リース総額 | 20万円〜60万円超 |
見積書を比較する際は、本体価格だけではなく、「初期設定費」「VPN設定費」「年間保守費」「ライセンス費」「障害発生時の復旧作業費」が含まれているかを確認することが重要です。導入時の金額が安く見えても、障害時の対応がすべて有償であれば、結果として総コストが高くなるケースは珍しくありません。NASは導入価格だけでなく、故障した後にどれだけ費用が発生するかまで含めて比較することが、後悔しない製品選びにつながります。

保守契約が必要な企業と不要な企業

保守契約が必要な企業
保守契約が必要かどうかは、NASの価格ではなく「停止したときに会社へどれだけ影響があるか」で判断することが重要です。例えば、受発注管理や会計システム、設計図面、顧客情報などをNASで一元管理している企業では、NASが停止すると複数の部署が同時に業務を進められなくなります。営業資料が開けない、見積書を作成できない、製造データにアクセスできないといった状況になれば、数時間の停止でも大きな損失につながります。
保守契約を付けておくメリットが大きい企業
- NASに基幹業務データを保存している企業
- 複数拠点からVPN経由でNASへ接続している企業
- テレワーク利用者が多い企業
- 情シス担当者がおらず、自社で復旧作業ができない企業
- 製造業や設計業など、業務停止による損失が大きい企業
保守契約が不要な企業
すべての企業に高額な保守契約が必要というわけではありません。例えば、NASには一時的なデータ保存のみを行い、業務データの本番環境はクラウドストレージや基幹システムで管理している企業であれば、NASが停止しても業務への影響は比較的小さくなります。また、社内に予備機を用意しており、自社で機器交換や設定復旧まで対応できる体制が整っている企業は、高額な保守契約を見直せる可能性があります。
保守契約の内容を見直せる企業
- クラウドへ毎日バックアップを取得している
- 予備のNASや代替機を保有している
- 自社で設定復旧や機器交換ができる担当者がいる
- NAS停止時でも業務への影響が限定的である
- 復旧手順やバックアップ運用が文書化されている
ただし、「RAIDを組んでいるから安心」「バックアップがNASの中にあるから大丈夫」という考え方は危険です。RAIDはハードディスク故障への備えであり、ランサムウェア感染や誤削除、本体故障までは防げません。また、バックアップが同じNAS内に保存されている場合、本体が故障すればバックアップも同時に利用できなくなる可能性があります。
保守契約を付けない場合の対策
- 代替機の確保
- 設定情報の保存
- クラウドや外部ストレージへのバックアップ
- 復旧手順の整備
こうした体制がないまま保守契約だけを削減すると、障害発生時にかえって大きな損失を招く恐れがあります。保守費を削るかどうかではなく、「保守契約の代わりに何でリスクをカバーするのか」を明確にしておくことが重要です。
保守契約の有無は「付ける・付けない」ではなく、「障害発生時に自社でどこまで対応できるか」を基準に判断しましょう。

NASを長く使い続けるリスクと買い替え判断
古いNASを使い続ける危険性
NASはパソコンと違い、一度導入すると7〜10年以上使い続ける企業も珍しくありません。しかし、発売から7〜8年以上経過した機種では、メーカーによるセキュリティアップデートやファームウェアの提供が終了している場合があります。見た目には正常に動作していても、新たに発見された脆弱性への修正が行われず、ランサムウェアや不正アクセスの標的になるリスクは年々高まっていきます。
特にインターネット経由でVPN接続やリモートアクセスを行っている環境では、古いNASを使い続けることが企業全体のセキュリティリスクにつながります。攻撃を受ければ、保存しているデータが暗号化されたり、顧客情報が漏えいしたりする可能性もあります。
古いNASを使い続けることで起こりやすいトラブル
- セキュリティ更新が終了し、脆弱性を修正できない
- 本体基板や電源の故障で突然起動しなくなる
- 部品供給が終了し、修理自体ができない
- 最新のバックアップソフトやクラウドサービスに対応できない
- 障害発生時に代替機への移行作業が複雑になる
「まだ動いているから大丈夫」という判断は、NAS更新で最も多い失敗例です。故障してから更新を検討すると、業務停止や復旧費用によって結果的に高額なコストが発生する可能性があります。
買い替えを検討するタイミング
NASは完全に故障してから交換する設備ではなく、計画的に更新することが重要です。保守終了の案内が届いた時点や、動作が遅くなってきた、容量不足が続いている、異音が発生している、障害履歴が増えてきたといったタイミングは、買い替えを検討する目安になります。
| 症状 | 買い替え検討度 |
|---|---|
| メーカー保守終了 | ★★★★★ |
| 動作が遅い・アクセスが不安定 | ★★★★☆ |
| 容量不足が続いている | ★★★★☆ |
| 異音やファンエラーが発生している | ★★★★★ |
| 障害履歴が増えている | ★★★★★ |
新しいNASへスムーズに移行するためのポイント
- VPN機器やUTM、バックアップ環境もあわせて見直す
→設定作業を一度に行うことができる。 - 現在利用しているバックアップ方式やアクセス権限、VPN接続方法との互換性も確認
→本体だけを交換した結果、バックアップが正常に動作しなかったり、社外からアクセスできなくなるのを防ぐ
機器を限界まで使い続けることがコスト削減につながるとは限りません。故障後の緊急対応やデータ復旧、業務停止による損失まで考えると、保守期間内に計画的な更新を行う方が、結果として総コストを抑えられるケースが多くあります。
NASの保守契約、本当に必要な内容を把握していますか?
保守内容・修理費・VPN設定・バックアップ構成・リース総額まで含めて、
専門コンサルタントが
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※セカンドオピニオンも歓迎しております。しつこい営業は一切いたしません。
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まとめ|保守・運用・更新まで含めて初めて安全に活用できる

NASの保守契約は、すべての企業に必要というわけではありません。しかし、「修理費を抑えるための契約」ではなく、「業務を止めないための備え」という視点で考えることが重要です。自社で復旧できる体制があるのか、障害が発生した際にどれくらい業務へ影響が出るのかによって、必要な保守レベルは大きく変わります。
無駄な費用を抑えながら安心して運用するためのポイント
- 「この保守契約は自社に本当に必要なのか」
- 「障害時にどこまで対応してもらえるのか」

