「業者から、FortiGateの40Fと50G、両方の見積もりが来た。数万円の差だけど、どっちを選べばいい?」
「40Fの方が安いけど、あとで“やっぱり非力だった”と後悔しないか不安」
10〜20名規模のオフィスでFortiGateを導入・入れ替えるとき、最も多い悩みがこの「40Fか、50Gか」です。実際、当サイトにご相談いただいた企業様でも、まさに「40Fで見積もりが来たが、50Gにすべきか」で迷われたケースがありました。
結論を先にお伝えします。本体価格の差は数万円ですが、多くの中小企業にとっては50Gを選んだ方が“結果的に得”になるケースが多いです。ただし、これは会社の使い方次第で逆転します。
この記事では、FortiGate 50Gと40Fを、カタログスペックだけでなく「全機能をONにして実際に使ったときの本当の速度」と「5年使ったときの総額」という現実的な視点で比較し、あなたの会社にとっての最適解を、機器を売る側ではなく“選ぶ側”の目線で解説します。
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「業者の見積もりが40F/50Gのどちらか、それが自社に合っているか分からない」方へ。
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先に結論:どちらを選ぶべきか
| こんな会社は… | おすすめ |
|---|---|
| 10〜20名、SaaS・Web会議を日常的に使う、光回線(1Gbps以上)、長く使いたい | 50G |
| 数名〜10名、ネット利用は軽め、回線速度も控えめ、とにかく初期費用を抑えたい | 40F |
| 今後2〜3年で人員が増える見込みがある | 50G(買い替え回避) |
ポイントは、40Fと50Gの本体価格差は数万円程度なのに対して、実際の処理性能(全機能ON時)は50Gが40Fの約2倍ある点です。この「わずかな価格差」と「大きな性能差」をどう捉えるかが判断の軸になります。理由を順に見ていきます。
FortiGate 50G vs 40F|スペック徹底比較

まず、両機種のカタログスペックを並べます。数字が並びますが、後で「中小企業にとって何が重要か」を翻訳するので、ここは眺める程度で大丈夫です。
| 項目 | FortiGate 40F | FortiGate 50G |
|---|---|---|
| 世代(プロセッサ) | Fシリーズ(従来世代) | Gシリーズ(新世代 FortiSP5搭載) |
| ファイアウォール速度 | 4 Gbps | 5 Gbps |
| 脅威対策スループット(実効) | 500 Mbps | 1.1 Gbps(約2.2倍) |
| IPS(不正侵入防御)速度 | 800 Mbps | 2.25 Gbps |
| NGFW速度 | 570 Mbps | 1.25 Gbps |
| SSLインスペクション | 600 Mbps | 1.1 Gbps |
| IPsec VPN速度 | 3.5 Gbps | 4.4 Gbps |
| 同時セッション数 | 600,000 | 720,000 |
| 新規セッション/秒 | 30,000 | 85,000 |
| ポート | 5×ギガビット | 5×ギガビット |
| 形状 | ファンレス・卓上 | ファンレス・卓上 |
※数値はFortinet公式の製品マトリクスに基づく代表値です。
中小企業が見るべきは「脅威対策スループット」の1行だけ
スペック表の中で、中小企業が本当に注目すべき数字はたった1行、「脅威対策スループット(実効)」です。
これは何かというと、アンチウイルス・不正侵入防御・Webフィルタなど、UTMの“全部の機能をONにした状態”で実際に出る通信速度のことです。カタログの先頭に載っている「ファイアウォール速度(4〜5Gbps)」は、いわば全機能OFFの“素の速度”で、実際の運用では出ません。ここに騙されてはいけません。
■ 全機能をONにしたときの本当の速度
・FortiGate 40F:500 Mbps
・FortiGate 50G:1,100 Mbps(1.1 Gbps)
→ 50Gは40Fの約2.2倍の実効性能
これが何を意味するか。たとえば1Gbps(1,000Mbps)の光回線を契約している会社の場合、40Fでは全機能ONにすると500Mbpsで頭打ちになり、「せっかくの光回線が半分の速度しか出ない」状態になります。一方の50Gなら1.1Gbpsまでさばけるので、回線速度を活かせます。
SaaS(kintone・freee・Microsoft 365など)やWeb会議を日常的に使う会社ほど、この差が「Zoomがカクつく」「クラウド会計が重い」といった形で体感に響いてきます。この現象の詳しい仕組みはクラウド会計が重い原因はUTM?の記事やZoomが固まる原因の切り分けでも解説しています。
「40Fで十分」と言われて導入した会社が後悔する典型パターン
40Fは決して悪い機種ではありません。ただ、以下のようなケースでは「安物買いの銭失い」になりがちです。
- 光回線(1Gbps)を契約しているのに、40Fで速度が半減:回線費用を払っているのに活かせない
- 導入後に社員が増えた:40Fの性能では同時接続をさばききれず、リース期間の途中で買い替えになる
- SaaS・Web会議が増えた:全機能ONの実効500Mbpsでは、複数人の同時利用で詰まる
- SSLインスペクション(暗号化通信の検査)をONにした瞬間、さらに遅くなる:40FのSSL検査は600Mbps止まり
特に注意したいのが「人員増加」です。40Fは30名以上のオフィスでは処理能力が力不足になりやすいことが知られており、導入時は10名でも、数年で20〜30名に増える見込みがあるなら、最初から50Gにしておく方がトータルで安く済みます。リース途中での買い替えは、違約金トラブルの原因にもなります。
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50Gの隠れた強み|「新世代プロセッサ」で長く使える
スペック表の一番上、「世代(プロセッサ)」の行も見落とせません。
40FはFシリーズ(従来世代)、50GはGシリーズ(新世代のFortiSP5という専用チップ搭載)です。同じFortiGateでも、50Gは世代が一つ新しい機種です。これには実務上のメリットがあります。
- 今後のOS・セキュリティ更新に長く対応:新世代の方が、サポート終了(EOL)までの期間が長い傾向。同じ5年リースでも「時代遅れ」になりにくい
- 電力効率が良い:新世代チップは省電力で、24時間稼働の電気代にも効く
- 処理に余裕がある:新規セッション/秒が40Fの30,000に対し50Gは85,000と約2.8倍。多数の通信が一斉に発生しても詰まりにくい
FortiGate 50G vs 40F|5年間の「本当の総額」比較

本体価格だけでなく、ライセンス(FortiGuardの年額)・設定費・保守を含めた5年総額で比較します。実勢価格ベースの目安です。
| 項目(10〜20名想定) | FortiGate 40F | FortiGate 50G |
|---|---|---|
| 本体(実勢価格) | 約4万〜7万円 | 約6万〜10万円 |
| UTMライセンス5年(フルUTP) | 約20万〜28万円 | 約23万〜32万円 |
| 初期設定費 | 約5万〜10万円 | 約5万〜10万円 |
| 保守(5年) | 約3万〜5万円 | 約3万〜5万円 |
| 5年総額の目安 | 約32万〜50万円 | 約37万〜57万円 |
差額はおおむね5万〜10万円程度。5年で割れば年間1〜2万円、月あたり1,000〜1,700円ほどの違いです。この金額で「実効性能2.2倍・新世代・人員増にも対応」が手に入ると考えると、SaaSやWeb会議を使う会社なら50Gの費用対効果は高いと言えます。
それでも「40Fが正解」になる会社もある
ここまで50Gを推してきましたが、正直に言えば40Fがベストな会社も存在します。以下に当てはまるなら、無理に50Gにする必要はありません。
- 従業員が数名〜10名で、当面増える予定がない
- ネット利用がメール・軽い調べ物中心で、Web会議や大容量SaaSをあまり使わない
- 回線速度が控えめ(実効500Mbps以下の環境なら、40Fの性能で十分足りる)
- とにかく初期費用・月額を最小限に抑えたい
この場合、40Fでも全機能をONにして十分に運用できます。「安いから」ではなく「使い方に合っているから」40Fを選ぶのであれば、それは正しい判断です。大切なのは、機種名やブランドではなく、自社の回線速度・人数・使い方に合っているかどうかです。
FortiGate 50G・40Fに関するよくある質問(FAQ)
Q. FortiGate 50Gと40Fの価格差はどれくらいですか?
A. 本体の実勢価格差は数万円程度、ライセンス・設定・保守まで含めた5年総額でも差額はおおむね5万〜10万円ほどです。月あたりに換算すると1,000〜1,700円程度の違いです。
Q. 結局、50Gと40Fどちらを選べばいいですか?
A. 10〜20名でSaaSやWeb会議を日常的に使う、光回線(1Gbps以上)を契約している、今後人員が増える見込みがある、といった会社は50Gが向いています。数名〜10名でネット利用が軽く、回線速度も控えめで初期費用を最優先したい会社は40Fで十分です。
Q. なぜ50Gの方が「実効性能が2倍」なのですか?
A. 全機能をONにした状態の速度(脅威対策スループット)が、40Fは500Mbps、50Gは1.1Gbpsだからです。50GはFortiSP5という新世代の専用チップを搭載しており、暗号化通信の検査なども高速に処理できます。カタログ先頭の「ファイアウォール速度」は全機能OFFの数値なので、実運用では参考になりません。
Q. 40Fは1Gbpsの光回線だと遅くなりますか?
A. 全機能をONにすると、40Fは実効500Mbps程度が上限のため、1Gbpsの回線速度を活かしきれない可能性があります。回線速度を最大限使いたい場合は、1.1Gbpsまでさばける50Gが有利です。
Q. 今40Fを使っていますが、50Gに乗り換えるべきですか?
A. 現状で速度や同時接続に不満がなければ、無理に乗り換える必要はありません。ただし「SaaS導入で重くなった」「人員が増えて遅い」といった症状が出ているなら、50Gへの入れ替えで改善するケースがあります。まずは原因が本当にUTMにあるのかの切り分けをおすすめします。
Q. 40Fや50Gはいつまでサポートされますか?
A. 新世代の50G(Gシリーズ)の方が、一般にサポート終了までの期間が長い傾向です。5年リースで組む場合、契約満了時点での“古びにくさ”という観点でも50Gに分があります。サポート終了(EOL)の考え方はサポート終了機器のリスクと入れ替えの進め方をご参照ください。
まとめ:価格差は小さく、性能差は大きい。使い方で選ぶ

FortiGate 50Gと40Fの比較で、覚えておくべきことは3つです。
- 本体価格差は数万円、5年総額でも5〜10万円程度 → 差は思ったより小さい
- 全機能ON時の実効性能は50Gが40Fの約2.2倍 → SaaS・Web会議・光回線を活かすなら50G
- 50Gは新世代で長く使える → 5年リースなら“古びにくさ”でも有利
逆に、数名規模でネット利用が軽く、初期費用を最優先するなら40Fが正解です。大切なのは「安いか高いか」ではなく「自社の回線・人数・使い方に合うか」。業者から届いた見積もりがどちらであっても、それが本当に自社に最適かを一度確認する価値があります。
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