「会社のファイルサーバーにQNAPのNASを勧められたけど、価格の相場が分からない」
「TS-464とTS-262、どっちがうちに合ってる?HDD込みだと結局いくら?」
QNAP(キューナップ)は、Synology(シノロジー)と並ぶ法人向けNAS(ネットワークHDD/ファイルサーバー)の二大メーカーです。処理性能の高さと拡張性で人気ですが、「本体価格」だけを見ていると、実際の導入費用を見誤ります。NASは本体にHDD(ハードディスク)が含まれておらず、別途HDDを買って入れる必要があるからです。
この記事では、QNAPの売れ筋モデルTS-262(2ベイ)とTS-464(4ベイ)を例に、実勢価格・HDD込みの本当の導入総額・容量の考え方を、機器を売る側ではなく“選ぶ側”の目線で正直に解説します。Synologyとの価格・特徴の違いにも触れるので、「QNAPとSynologyどっち?」で迷っている方にも役立ちます。
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まず理解すべき|NASの価格は「本体+HDD」で考える
NAS選びで最も多い誤解が、「本体価格=導入費用」だと思ってしまうことです。実際は違います。
NAS本体には、データを保存するHDD(ハードディスク)が入っていません。本体は“HDDを入れる箱”で、HDDは別売りです。つまり、実際にかかるお金は次の3つの合計です。
- 本体(NAS本体):QNAPやSynologyの機器そのもの
- HDD(別売り):容量に応じて。しかも「壊れても大丈夫」にするため複数台入れるのが基本
- 設定・導入費:アクセス権限・バックアップ・共有設定など
特にHDDは、NAS専用の信頼性の高いモデル(WD RedやSeagate IronWolfなど)を選ぶ必要があり、1台あたり数千円〜2万円ほど。これを2〜4台入れるので、HDDだけで数万円になります。この「HDD込みの総額」を把握することが、NAS選びの第一歩です。
QNAP TS-262の価格とスペック|2ベイの小規模向けモデル

TS-262は、数名規模のオフィスや、少人数でファイル共有・バックアップをしたい会社向けの2ベイ(HDD2台)モデルです。
| 項目 | TS-262-4Gの内容 |
|---|---|
| 本体の実勢価格(目安) | 約4万〜5.5万円前後 |
| ドライブベイ | 2ベイ(HDD2台) |
| CPU | Intel Celeron N4505(2コア) |
| メモリ | 4GB(最大16GBまで増設可) |
| 有線LAN | 2.5ギガ×1ポート |
| M.2 SSDスロット | 2スロット(高速化用) |
| 拡張 | PCIeスロットで10ギガLAN等を増設可能 |
| HDMI出力 | あり(4K対応) |
| 保証 | 2年 |
2ベイモデルは、HDDを2台入れて「片方が壊れてももう片方でデータを守る」(RAID1=ミラーリング)という使い方が基本です。この場合、使える容量はHDD1台分になります(例:4TBのHDDを2台入れても、使えるのは4TB)。少人数で「まずは安全にファイル共有を始めたい」会社に向いています。
QNAP TS-464の価格とスペック|4ベイの中小企業向け主力モデル

TS-464は、中小企業のファイルサーバーとして最もバランスの良い4ベイ(HDD4台)モデルです。処理性能・容量・拡張性が揃っており、QNAPの売れ筋です。
| 項目 | TS-464-8Gの内容 |
|---|---|
| 本体の実勢価格(目安) | 約7万〜9万円前後 |
| ドライブベイ | 4ベイ(HDD4台) |
| CPU | Intel Celeron N5095(4コア) |
| メモリ | 8GB(最大16GBまで増設可) |
| 有線LAN | 2.5ギガ×2ポート |
| M.2 SSDスロット | 2スロット(高速化用) |
| 拡張 | PCIeスロットで10ギガLAN等を増設可能 |
| HDMI出力 | あり(4K対応) |
| 保証 | 3年 |
TS-464が中小企業に選ばれる理由は、4ベイという柔軟性です。HDD4台で「1台壊れてもデータを守る」構成(RAID5)を組めば、容量効率とデータ保護を両立できます。CPUも4コアと余裕があり、複数人が同時にアクセスしても快適です。TS-262より処理性能・LANポート数・保証期間で上回ります。
QNAP NASの「HDD込み・本当の導入総額」シミュレーション
本体だけでなく、HDD・設定費を含めた現実的な総額を試算します。実勢価格ベースの目安です。
例①:TS-262(2ベイ)を少人数オフィスに導入
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| TS-262 本体 | 約4万〜5.5万円 |
| NAS用HDD 4TB × 2台(ミラーリング) | 約3万〜5万円 |
| 設定・導入費(アクセス権・バックアップ設定) | 約3万〜8万円 |
| 導入総額の目安 | 約10万〜18.5万円(使える容量 約4TB) |
例②:TS-464(4ベイ)を中小企業に導入
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| TS-464 本体 | 約7万〜9万円 |
| NAS用HDD 4TB × 4台(RAID5) | 約6万〜10万円 |
| 設定・導入費(アクセス権・バックアップ設定) | 約5万〜12万円 |
| 導入総額の目安 | 約18万〜31万円(使える容量 約12TB) |
※HDD価格は容量・銘柄・時期で変動します。ポイントは、本体価格と同じかそれ以上に、HDD代がかかるという点です。「本体が安いから」だけで選ぶと、総額で見誤ります。導入費用の考え方はSynologyの価格記事でも同じ構造で解説しています。
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QNAPとSynology、価格と特徴はどう違う?

NAS選びで必ず出てくるのが「QNAPとSynology、どっち?」という問いです。ここでは価格と特徴の違いに絞って整理します(どちらを選ぶべきかの詳しい判断は後述の専用記事で解説しています)。
| 比較項目 | QNAP | Synology |
|---|---|---|
| 価格傾向 | 同スペックでやや安め・高性能 | やや高めだが安定重視 |
| 処理性能・拡張性 | ◎ 高性能CPU・拡張スロット豊富 | ○ 必要十分 |
| 使いやすさ(管理画面) | ○ 多機能だがやや複雑 | ◎ シンプルで分かりやすい |
| 10ギガ・SSD高速化 | ◎ 増設しやすい | ○ 機種による |
| 初心者・情シス不在の会社 | △ 機能が多く迷いやすい | ◎ 設定が簡単 |
ざっくり言うと、QNAPは「高性能・多機能・拡張性重視」、Synologyは「シンプル・安定・分かりやすさ重視」です。処理性能や10ギガ化・SSD高速化を重視するならQNAP、情シス担当がいなくて「とにかく簡単に運用したい」ならSynology、という傾向があります。
どちらを選ぶべきかの詳しい判断軸・失敗事例は、【法人NAS比較】SynologyとQNAPどっちが正解?中小企業が後悔しない選び方で詳しく解説しています。Synology側の価格・機種はSynology NASの価格相場記事をご覧ください。
QNAP NASを導入する前に知っておくべき3つの注意点
注意①:RAIDは「バックアップ」ではない
NASでHDDを複数台入れて「1台壊れても大丈夫」にするRAIDは、あくまで“故障対策”であってバックアップではありません。操作ミスでの削除、ウイルス(ランサムウェア)による暗号化、NAS本体の故障や災害には、RAIDだけでは対応できません。別の場所へのバックアップが必須です。この誤解の危険性は「RAID組んでるから安心」が一番危ない(3-2-1ルール)で詳しく解説しています。
注意②:容量は「使える容量」で考える
HDDの合計容量が、そのまま使えるわけではありません。データ保護のためのRAIDを組むと、一部がその保護に使われます(例:4TB×4台=16TBでも、RAID5なら使えるのは約12TB)。「何TB必要か」は、実際に使える容量で計算する必要があります。
注意③:ネット直結・初期設定のまま使わない
NASを初期設定のままインターネットに直結すると、世界中からアクセスできてしまう危険があります。実際、設定不備で情報が漏れる事故は少なくありません。アクセス権限の設定や、UTM(セキュリティ機器)と組み合わせた安全な構成が重要です。この危険性はそのNAS、世界中から丸見えかも?で解説しています。
【規模・用途別】QNAP NASの選び方早見表

| 会社の状況 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 数名〜10名・まずファイル共有を始めたい | TS-262(2ベイ) | 低コストで安全に導入できる |
| 10〜30名・本格的なファイルサーバー | TS-464(4ベイ) | 容量・性能・保証のバランスが良い |
| 大容量データ(CAD・動画・設計)を扱う | TS-464+10ギガ増設 | 大きなデータも快適に。10G対応NASの効果 |
| とにかく簡単に運用したい | Synologyも検討 | 比較記事参照 |
| どれが最適か分からない | まず無料診断 | 用途に合う機種・容量を中立診断 |
QNAP NASに関するよくある質問(FAQ)
Q. QNAP TS-464・TS-262の価格はいくらですか?
A. 本体の実勢価格は、TS-262(2ベイ)が約4万〜5.5万円、TS-464(4ベイ)が約7万〜9万円前後が目安です。ただしNASは本体にHDDが含まれないため、HDD代・設定費を含めた導入総額は、TS-262で約10万〜18.5万円、TS-464で約18万〜31万円程度になります。
Q. QNAPとSynology、どちらが安いですか?
A. 同スペックで比べると、QNAPの方がやや安め・高性能な傾向があります。一方Synologyは、やや高めですが管理画面がシンプルで、情シス担当がいない会社でも扱いやすいのが特徴です。価格だけでなく「運用のしやすさ」も含めて選ぶことをおすすめします。
Q. TS-262とTS-464、どちらを選べばいいですか?
A. 数名〜10名でまずファイル共有を始めたいならTS-262(2ベイ)、10〜30名で本格的なファイルサーバーとして使うならTS-464(4ベイ)が向いています。TS-464はCPUが4コアと高性能で、LANポートも2つ、保証も3年と、中小企業の主力に適しています。
Q. NAS本体にHDDは付いていますか?
A. 付いていません。QNAPのNAS本体は「HDDを入れる箱」で、HDDは別途購入して入れる必要があります。NAS専用の信頼性の高いHDDを、データ保護のため複数台入れるのが基本です。HDD代が導入費用の大きな部分を占めます。
Q. RAIDを組めばバックアップは不要ですか?
A. いいえ。RAIDはHDDの故障対策であり、バックアップではありません。操作ミスでの削除、ランサムウェア感染、本体故障や災害には対応できません。別の場所へのバックアップ(3-2-1ルール)が必須です。
Q. QNAP NASの導入・設定は自社でできますか?
A. 基本的な設定は可能ですが、アクセス権限の設計、安全なネットワーク構成、バックアップ設定、セキュリティ対策まで含めると専門知識が必要です。設定不備は情報漏洩や、データ消失に直結するため、実績のある業者に任せるのが安全です。
まとめ:QNAP NASは「HDD込みの総額」と「用途」で選ぶ

QNAP NASの選び方で、覚えておくべきことは3つです。
- 価格は「本体+HDD+設定費」で考える → 本体価格だけで判断しない
- 数名ならTS-262、中小企業の主力ならTS-464 → 用途と人数で選ぶ
- QNAPは高性能・拡張性重視、Synologyは簡単・安定重視 → 運用のしやすさも判断軸に
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