「社員30人だから、50台接続できるWi-Fiアクセスポイントを1台入れれば十分」
この考え方で機器を選ぶと、導入後にかなり苦労することがあります。
社内Wi-Fiで見るべきなのは社員数ではありません。PC、スマートフォン、タブレット、複合機、会議室端末などを含めた実際の同時接続端末数と、その端末が何をするかです。
しかも、メーカー仕様に書かれている「最大接続台数」は、その台数でWeb会議やクラウド業務を同時に行っても快適という意味ではありません。接続できることと、業務で安定して使えることは別です。
この記事では、1台のAPで実際に何台程度まで安定運用しやすいのかを整理し、社員10〜100名規模の会社が「必要十分なWi-Fi構成」と「高すぎる見積もり」を自分で見分けられる状態を目指します。
社内Wi-Fiの構成、APの台数だけで決めていませんか?
接続端末数・通信量・設置場所・保守費まで含めて、
専門コンサルタントが
過不足のない構成
か確認します。
※他社見積もりのセカンドオピニオンも歓迎しています。
※不要な機器や過剰な保守が含まれていないかも確認できます。
「最大接続台数」と「実際に使える台数」は同じではない

最大接続台数は「快適に業務できる台数」ではない
法人向けAPを調べると、数十台から100台以上の端末を接続できる製品が見つかります。しかし、この数字だけでAPの必要台数を計算するのは危険です。
最大接続台数は、あくまで製品仕様上の上限として示されているケースがあります。全端末が同時にWeb会議を行い、大容量ファイルをクラウドへ同期しても快適という保証ではありません。
実際のオフィスでは…
- Microsoft TeamsやZoom、クラウドストレージ、ブラウザ、SaaS、スマートフォンなどが同時に通信
→接続端末が増えるほど、1台のAPが処理する通信量も増える
そのため「100台接続可能だから80台でも大丈夫」ではなく、実運用では余裕を持たせて設計する必要があります。特にWeb会議が多い会社は、単純な端末台数だけで判断できません。
社員30人でも接続端末は60台を超える
社長が誤解しやすいのが、「社員数=Wi-Fi接続数」という考え方です。
- 社員30人
→ノートPC30台とスマートフォン30台だけで「60台」になる - タブレット、Wi-Fi対応複合機、会議室用PC、テレビ会議端末、来客用端末などが加わる
→実際には30人規模の会社でも、同時接続候補が「70〜80台」になる
一方、倉庫や店舗のように、社員数は多くても常時通信する端末が少ない会社もあります。つまり、社員数だけからAP台数を決めること自体に無理があります。
見積もりを取る前に「社員数」ではなく、「PC」「スマートフォン」「タブレット」「IoT・設備」「来客用」に分けて端末数を数えるだけでも、必要台数の精度はかなり変わります。

メーカー別|法人Wi-Fiは1台で何台まで接続できる?
法人向けアクセスポイントは、メーカーによって「最大接続台数」の考え方や製品設計がかなり異なります。ここで注意したいのが、カタログに「最大200台」「最大500台」と書かれていても、その台数でWeb会議やクラウド業務を同時に行えるという意味ではないことです。
実際のオフィスでは、PCだけでなくスマートフォン、タブレット、複合機、会議室端末などが同時接続します。さらにTeamsやZoom、Google Meet、クラウドストレージなど通信量の大きいサービスが重なるため、仕様上の最大値よりかなり余裕を持たせた設計が必要です。
| メーカー・シリーズ例 | メーカー公表値・位置付け | 中小企業での見方 | 向いている環境 |
|---|---|---|---|
| YAMAHA WLX323 | 最大270台 | 270台を1台へ集中させる前提では考えない | 中小〜中規模オフィス、YAMAHAルーター利用企業 |
| BUFFALO AirStation Pro | 機種によって異なる | 価格を抑えながら複数APへ分散しやすい | 10〜50名程度の一般オフィス |
| Cisco Meraki | 高密度環境まで設計可能 | 接続数よりクラウド管理・可視化を重視する製品 | 多拠点・50名以上・管理負荷を下げたい企業 |
| HPE Aruba | 500シリーズは最大512クライアント | 最大値ではなく密度・通信量を見て設計する | 端末数の多いオフィス・高密度環境 |
| NEC QX-W1100シリーズ | 最大512台・推奨60台 | 最大値と推奨値の違いが分かりやすい | 中規模以上・法人ネットワーク |
メーカー別に数字を見るなら、「最大何台か」だけを比較しないでください。YAMAHA WLX323は最大270台、HPE Aruba 500シリーズは最大512台、NEC QX-W1100シリーズも最大512台ですが、NECは推奨60台としています。実際のAP台数は、端末数・通信量・フロア構成・Web会議の頻度まで見て決める必要があります。
社員10〜100名ならAPは何台必要なのか

30人の会社で「AP1台」は条件次第で危険
- 社員30人でも接続端末は60〜70台以上になることがある
→PC30台+スマートフォン30台+会議室端末5台で65台。来客用Wi-Fiを含めれば70台を超える可能性があります。 - AP1台への集中は通信障害の原因になりやすい
→TeamsなどのWeb会議が重なる時間帯だけ通信が遅くなるなど、ピーク時に負荷が集中することがあります。 - 「特定の時間だけ遅い」障害は原因特定が難しい
→回線・ルーター・APのどこが原因なのか分からず、複数業者の間で切り分けが進まないケースがあります。
APを増やせば解決するわけでもない
- APは多ければ多いほど良いわけではない
→狭いオフィスに必要以上のAPを設置すると、電波干渉やローミングの問題が発生する場合があります。 - 小規模企業では過剰スペックにも注意
→社員10〜20名程度なのに、上位AP・管理装置・UTM・高額保守をセットにすると、設定費やライセンス費まで膨らみます。 - リース契約では過剰構成の費用を長期間払い続けることになる
→5年リースなら、不要な機器や機能にも5年間支払いが発生します。 - 目安は現在の利用状況+20〜30%程度の余裕
→根拠なく将来の社員増加を想定した見積もりではなく、端末数・フロア・壁・会議室・通信量を基準にAP台数を決め、必要になったときに増設できる構成が現実的です。
社内Wi-Fiの構成、APの台数だけで決めていませんか?
接続端末数・通信量・設置場所・保守費まで含めて、
専門コンサルタントが
過不足のない構成
か確認します。
※他社見積もりのセカンドオピニオンも歓迎しています。
※不要な機器や過剰な保守が含まれていないかも確認できます。
何人ならAP何台?中小企業で失敗しにくい考え方
社員数別の接続端末のイメージとAP構成は以下の通りです。
| 社員数の目安 | 接続端末のイメージ | AP構成の考え方 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 10〜20人 | PC・スマホで20〜40台+会議端末など | AP1台で運用できる場合もある | 壁や間取りによっては2台に分散した方が安定する |
| 30〜50人 | PC・スマホだけで60〜100台程度 | AP1台への集中は避けたい | Web会議やクラウド同期が重なると通信品質が落ちやすい |
| 50〜100人 | 100台以上になることも多い | フロア単位ではなくエリア単位で配置 | チャンネル設計や負荷分散まで確認する |
「高性能APを1台」ではなく、ピーク時の端末数と利用場所に合わせて負荷を分散できる構成かどうかが判断基準です。
法人Wi-Fiはいくらかかる?本体価格だけでは判断できない

法人向けAPは数万円から10万円を超える製品まであります。しかし、実際の導入費用はAP本体だけでは決まりません。初期設定やLAN配線、PoEスイッチ、設置工事、ライセンスなどが加わるため、「APは数万円なのに見積もりは20〜30万円」というケースもあります。
| 費用項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| AP本体 | 型番・台数・実勢価格 |
| 設定費 | SSID・VLAN・認証などの内訳 |
| VPN設定費 | 新規設計・既存設定移行の範囲 |
| 工事費 | LAN配線・設置・PoE工事 |
| ライセンス費 | 年額・更新条件 |
| 保守費 | 遠隔・訪問・代替機・受付時間 |
安い見積もりでも、電波調整や障害時の切り分けが含まれていなければ、導入後に追加費用が発生する可能性があります。「AP本体」「設定」「配線・設置」「ライセンス」「保守」を分けてもらい、正常稼働と障害対応まで含めた総額で比較することがポイントです。
法人向けWi-Fi工事は以下の記事を参考にしてください。

失敗しないAP選び|業者の見積もりで確認する7項目
見積もりではこの7項目を確認する
- 想定している最大接続端末数は何台か
- ピーク時の同時通信台数を何台と想定しているか
- なぜそのAP機種・台数・設置位置なのか
- 本体・設定・配線・ライセンス・保守の内訳が分かれているか
- Wi-Fi障害時にVPN・UTM・回線まで切り分けてもらえるか
- ライセンス更新時に年間いくら必要になるか
- リースの場合、契約期間全体の総支払額はいくらか
この質問に対して具体的な数字や設計理由が返ってくる業者なら、少なくとも「高い機器を置けば大丈夫」という提案ではありません。
逆に利用台数を聞かず、「この機種なら最大200台つながるので問題ありません」とだけ説明する場合は注意が必要です。
法人Wi-Fiで見るべき数字は「メーカー最大接続台数」ではなく、「自社のピーク時端末数に対して、どの程度余裕を持たせた設計になっているか」です。見積もりにその説明がなければ、契約前に設計根拠を確認してください。
IT保守業者を変えたい場合は以下の記事を参考にしてください。

まとめ|「最大接続台数」ではなく、自社で何台が同時通信するかを見る

法人Wi-Fiは、カタログ上の最大接続台数だけで選ぶと、性能不足や過剰投資につながります。社員数ではなく、PC・スマホ・会議端末などを含めた実際の端末数と、Web会議が重なるピーク時の通信量を基準に考える必要があります。
- 社員数ではなく、実際の接続端末数を確認する
- ピーク時の通信量と利用場所まで考慮する
- APを増やしすぎると配線・PoE・保守費が膨らむ
- 本体価格ではなく設定費・ライセンス費を含む導入総額で比較する
- リースは月額ではなく契約期間全体の総額を見る
- 障害時にAP・ルーター・UTM・VPN・回線を誰が切り分けるか確認する
必要なのは高性能なAPではなく、自社の利用環境に対して必要十分で、構成理由を説明できる見積もりです。
社内Wi-Fiの構成、APの台数だけで決めていませんか?
接続端末数・通信量・設置場所・保守費まで含めて、
専門コンサルタントが
過不足のない構成
か確認します。
※他社見積もりのセカンドオピニオンも歓迎しています。
※不要な機器や過剰な保守が含まれていないかも確認できます。

