「複合機の更新と一緒に、セキュリティもやりませんか?」
富士フイルム(旧富士ゼロックス)の複合機を使っている会社なら、営業担当からこう提案された経験があるのではないでしょうか。
その時に提案されるのが「beat(ビート)」。富士フイルムビジネスイノベーションが提供するネットワークセキュリティサービスです。
「月額14,700円で、セキュリティもネットワーク管理もオンサイト保守も全部コミコミです」
「24時間365日のコールセンターも付いてます」
「難しいことは全部うちにお任せください」
こう言われると、「それなら安心だし、お願いしようかな」と思ってしまうのが普通です。
しかし、ちょっと待ってください。月額14,700円を5年間払い続けると、総額は約88万円。同等のセキュリティ機能を持つFortiGateなら、5年間で約48万円。差額は約40万円です。
この記事では、beatの料金体系と、「本当にお得かどうか」を中立な立場で解説します。
メーカーに縛られないプロが、beatと他メーカーの5年総額を比較して無料で診断します。
※原則1営業日以内に、担当エンジニアよりご連絡します。
そもそもbeat(ビート)とは?UTMとの違い

まず根本的な違いを理解してください。beatは「UTM製品」ではなく「月額サービス」です。
| 比較項目 | beat | FortiGate等のUTM |
|---|---|---|
| 提供形態 | 月額サービス(サブスクリプション) | 製品購入(一括 or リース) |
| 機器の所有権 | 富士フイルムが所有(レンタル) | 自社が所有 |
| 設定・運用 | 富士フイルムが全て管理 | 自社または委託業者が管理 |
| 解約後 | beat-boxを返却。設定情報は残らない | 機器と設定は自社に残る |
| 保守 | 24/365コールセンター+オンサイト保守が標準 | 別途保守契約が必要 |
beatは「セキュリティの丸投げサービス」です。専用機器(beat-box)をオフィスに設置し、その監視・運用・保守を富士フイルムが全て行います。利用者は月額料金を払うだけで、難しいことは一切考えなくて良い。
beatの料金体系【2026年版】
beatには3つのプランがあります。
| プラン | 対象 | 月額料金(税別) | 利用者上限 | ISP込み |
|---|---|---|---|---|
| beat/active | 標準プラン(最も契約数が多い) | 14,700円/月 | 60名 | ○ |
| beat/basic | 小規模向け | 19,800円/月〜 | 要確認 | ○ |
| beat/solo | リモートアクセス専用 | 500円/月(1ユーザー) | ― | × |
主なオプション
| オプション | 月額(税別) | 内容 |
|---|---|---|
| リモートアクセス | 3,500円/月 | 同時最大50名のVPN接続 |
| Webフィルタリング | 3,000円/月 | 不適切サイトへのアクセス制限 |
| beat-box多重化 | 要問合せ | beat-boxの冗長構成 |
| 利用者追加(61名以上) | 10名単位で追加料金 | 最大500名まで拡張可能 |
注意:beat/basicの月額19,800円は、beat/activeの14,700円より高い。名前から「basicの方が安い」と思いがちですが逆です。beat/basicは旧サービスで、現在の主力はbeat/activeです。
beatの「本当の5年間総額」を計算してみる

「月額14,700円なら安い」と感じるかもしれませんが、5年間のトータルコストを計算してください。
beat/active(標準構成)の5年間総額
| 項目 | 月額 | 5年間(60ヶ月) |
|---|---|---|
| 基本サービス(beat/active) | 14,700円 | 882,000円 |
| リモートアクセス(オプション) | 3,500円 | 210,000円 |
| 合計 | 18,200円/月 | 1,092,000円 |
リモートアクセスなしでも5年間で約88万円。リモートアクセス付きだと5年間で約109万円になります。
これがFortiGateだとどうなるか、次のセクションで比較します。
beat vs FortiGate|5年間の総額を正直に比較
同じ20名規模・VPN付きで5年間運用した場合の費用を比較します。
| 項目 | beat/active(VPN付き) | FortiGate 50G+RTX830 |
|---|---|---|
| UTM本体 | 0円(月額に含む) | 約14万円 |
| VPNルーター | 0円(beatにVPN機能あり) | 約5万円(RTX830) |
| ライセンス | 0円(月額に含む) | 約23万円(UTP 5年) |
| 設定・導入費 | 0円(月額に含む) | 約10万円 |
| 保守・サポート | 0円(24/365込み) | 約3万円(センドバック) |
| 月額料金 | 18,200円/月×60ヶ月 | 0円 |
| 5年間総額 | 約109万円 | 約55万円 |
| 差額 | 約54万円の差 | |
では、この差額に見合うだけの価値がbeatにあるのか。正直に整理します。
beatの強み(差額54万円の内訳として妥当な部分)
- 24時間365日のコールセンター:土日祝日・夜間も電話サポート。FortiGateの販売店は通常平日のみ
- オンサイト保守が標準:故障時にエンジニアが訪問。FortiGateではオンサイト保守は別途年間3万〜10万円
- 設定・運用の完全丸投げ:IT知識ゼロでも運用可能。FortiGateは業者への委託が必要
- ISP(インターネット接続)が込み:beat専用の法人回線が付属。別途プロバイダ契約が不要
- 富士フイルムブランドの安心感:複合機と同じ営業が窓口。相談先が1つで済む
beatの弱み(差額54万円に見合わない部分)
- セキュリティ機能がFortiGateに劣る:beatはファイアウォール+IPS+ログ収集が中心。SSLインスペクション、サンドボックス、Webフィルタリング強化など、FortiGateが標準搭載する機能がbeatではオプションまたは非対応
- beat-boxのスペックが非公開:UTMスループットやセッション数などのハードウェアスペックが公開されていない。同等の処理能力を持つFortiGateのモデルと比較検討ができない
- 解約するとbeat-boxを返却:機器は富士フイルムの所有物なので、解約時にbeat-boxと設定情報を全て返却する必要がある。乗り換え時にゼロからネットワークを再構築することになる
- ベンダーロックインが強い:beatの設定情報は富士フイルムが管理。他社に乗り換えにくい設計になっている
- ISPが固定される:beat専用のインターネット回線を使うため、既存の回線やプロバイダを使い続けたい場合に制約がある
FortiGateの価格体系はFortiGateの価格相場と導入費用の全体像をご覧ください。
メーカーに縛られないプロが、貴社の規模・IT体制に合った最適な選択肢を無料で診断します。
※原則1営業日以内に、担当エンジニアよりご連絡します。
beatが合う会社、合わない会社
beatが合う会社
- IT担当者がゼロで、ネットワークの設定や管理を一切やりたくない
- 24時間365日の電話サポートが絶対に必要(医療機関や24時間営業の店舗など)
- 既に富士フイルムの複合機を使っており、窓口を1つにまとめたい
- コストよりも「何も考えなくていい安心感」を優先する
beatが合わない会社
- コスパを重視する(5年間で54万円の差は大きい)
- SSLインスペクションやサンドボックスなど、高度なセキュリティ機能が必要
- 将来的に業者の変更や機器の入れ替えを検討する可能性がある
- 既に信頼できるIT保守業者がいる
- 自社でネットワーク構成をコントロールしたい
beatから他社UTMに乗り換える場合の注意点

「beatを使っているけど、コストが気になるので他社に乗り換えたい」という場合の注意点です。
注意①:beat-boxと設定情報は返却が必要
beatの機器は富士フイルムの所有物です。解約時にbeat-boxを返却し、設定情報も全て富士フイルム側に残ります。つまり、乗り換え時にはネットワーク構成をゼロから再構築する必要があります。
注意②:ISP(回線)も同時に切り替わる
beatにはISPサービスが含まれているため、beat解約と同時にインターネット回線も切り替わります。新しいUTM+新しい回線の両方を事前に準備しておく必要があります。
注意③:契約期間の縛りを確認する
beatの契約に最低利用期間や中途解約違約金がないか、契約書を確認してください。
乗り換えの具体的な手順はIT保守業者を変えたい|乗り換えの手順と失敗しない選び方で解説しています。
各プランの詳細スペックは当サイトの製品データベースでも確認できます:beat/active / beat/solo
富士フイルム beat(ビート)に関するよくある質問(FAQ)
Q. beatの月額料金はいくらですか?
A. 最も契約数が多いbeat/activeの基本サービスは月額14,700円(税別)です。リモートアクセスオプション(月額3,500円)を追加すると月額18,200円。5年間の総額はリモートアクセスなしで約88万円、ありで約109万円です。
Q. beatとFortiGate、どちらが安いですか?
A. 同じ20名規模でVPN付き5年運用の場合、FortiGate 50G+RTX830が約55万円に対し、beat/active(VPN付き)は約109万円で、約54万円の差があります。beatの方が高いですが、24/365サポートやオンサイト保守が標準込みのため、単純な価格比較だけでは判断できません。
Q. beatはUTMですか?
A. 正確には「UTM製品」ではなく「月額のネットワークセキュリティサービス」です。専用機器(beat-box)をオフィスに設置しますが、機器の所有権は富士フイルムにあります。ファイアウォール・IPS・ログ収集などUTMと同様の機能を持ちますが、SSLインスペクションやサンドボックスはFortiGate等と比べて限定的です。
Q. beat/activeとbeat/basicの違いは何ですか?
A. beat/activeが現在の主力プランで月額14,700円。beat/basicは旧プランで月額19,800円〜と、名前に反してbasicの方が高額です。新規導入であればbeat/activeを選んでください。
Q. beatを解約して他社UTMに乗り換えられますか?
A. 乗り換え可能ですが、beat-boxと設定情報の返却が必要です。ISP(インターネット回線)もbeatに含まれているため、回線ごと切り替わります。乗り換え時はネットワーク構成のゼロからの再構築が必要になる点に注意してください。
Q. 複合機と一緒にbeatを勧められましたが、セットで入れるべきですか?
A. 複合機とbeatは全く別のサービスです。複合機の更新タイミングでbeatを「ついでに」導入するのは避けてください。beatの5年間総額(88万〜109万円)は大きな投資なので、他メーカーのUTMと比較した上で判断すべきです。
まとめ:beatは「安心の丸投げ料」。ただしコスパは要検証

富士フイルムのbeatは、IT担当がいない中小企業にとって「何も考えなくていい」という最大の安心感を提供するサービスです。24/365サポート、オンサイト保守、ISP込み。全て丸投げできる。
ただし、覚えておくべきことは3つ
- 5年間の総額はFortiGateの約2倍 → 差額の54万円が「安心感」に見合うか自社で判断する
- セキュリティ機能の深さはFortiGateに劣る → SSLインスペクションやサンドボックスが必要なら他社UTMを検討
- 解約時にベンダーロックインが発生する → beat-boxと設定情報を返却するため、乗り換え時はゼロから再構築
「beatを提案されたけど、本当にこれがうちに合っているの?」と思ったら、見積もり適正診断(無料)でご相談ください。beatが最適ならそうお伝えしますし、FortiGate等の方がコスパ良好ならそちらをご提案します。
他社様の見積もりをご提示いただければ、専門コンサルタントが適正価格・適正スペックか診断します。
※原則1営業日以内に、担当よりご連絡します。
あわせて読みたい
FortiGateの価格相場と導入費用の全体像
サクサ(SAXA)UTMの価格相場と導入費用
IT保守業者を変えたい|乗り換えの手順と失敗しない選び方
中小企業向けUTMメーカー主要5社徹底比較
UTM製品データベース|メーカー別・規模別にスペックと価格を比較
UTMの導入・入れ替え、プロに丸投げしませんか?
機種選定から設置・設定・保守まで、ワンストップで対応します。「UTMの導入」「VPNの構築」「データの保護」など、貴社に最適なセキュリティ対策をプロが無料で診断・ご提案します。

