「今使っているFortiGate 80E、もうすぐサポートが切れると聞いた。何をすればいい?」
「後継機は90Gらしいけど、入れ替えにいくらかかるのか見当がつかない」
結論から、最も大事なことをお伝えします。FortiGate 80Eのサポート(EOSL)は、2026年8月17日に完全終了します。この日を過ぎると、セキュリティの更新プログラムが一切提供されなくなり、故障しても交換対応を受けられなくなります。
UTM(統合脅威管理)は、いわば会社の「玄関の鍵」です。サポートが切れたUTMを使い続けるのは、古くなって開けっ放しになった鍵を、直さないまま放置しているのと同じ状態です。新しい手口のウイルスや不正アクセスが入ってきても、防げません。
この記事では、FortiGate 80Eの後継機である90Gへの入れ替えについて、費用・手順・注意点を、機器を売る側ではなく“選ぶ側”の目線で正直に解説します。「業者から入れ替えの見積もりが来たが妥当か分からない」という方にも役立つ内容です。
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まず結論:80Eユーザーが今すぐやるべき3つのこと

- サポート終了日(2026年8月17日)を確認する — この日以降、セキュリティ更新が止まります
- 後継機90G(または用途次第で他モデル)への入れ替えを計画する — 90Gは80Eの性能を大幅に上回ります
- リース契約中なら、満了時期と入れ替えのタイミングを合わせる — ここを間違えると余計な費用がかかります
FortiGate 80Eの「サポート終了」とは何が起きるのか
まず、FortiGateには2種類の「終了」があります。混同しやすいので、平易に整理します。
| 用語 | 意味 | 80Eの場合 |
|---|---|---|
| 販売終了(EOS) | 新品が買えなくなる日 | すでに終了済み(2021年8月) |
| サポート終了(EOSL) | 更新・修理・問い合わせがすべて打ち切られる日 | 2026年8月17日 |
重要なのは下のサポート終了(EOSL)=2026年8月17日です。この日を過ぎると、具体的に次のことが起きます。
- ウイルス・不正アクセスの「最新の手口」に対応できなくなる:日々生まれる新しい脅威の情報(定義ファイル)が更新されず、防御が“時代遅れ”のまま固定される
- 故障しても交換してもらえない:壊れたら会社のインターネットが止まり、業務が完全にストップするリスク
- 問い合わせ窓口が使えない:トラブル時に頼れる先がなくなる
- サイバー保険の条件を満たせなくなる可能性:保険によっては「サポート中の機器であること」が条件のことがある
サポート終了機器を使い続けるリスクの詳細は、その機器、サポート終了していませんか?(60E・RTX810等の入れ替えの進め方)でも解説しています。80Eも同じ考え方が当てはまります。
FortiGate 80E vs 90G|性能はどれだけ変わるのか

「後継機に替えると、何がどう良くなるのか」。数字で見ると一目瞭然です。特に注目すべきは、全機能をONにした実際の速度(脅威対策スループット)です。
| 項目 | FortiGate 80E(現在) | FortiGate 90G(後継) |
|---|---|---|
| 世代(プロセッサ) | Eシリーズ(SOC3) | Gシリーズ(新世代 SP5) |
| 脅威対策スループット(実効) | 250 Mbps | 2.2 Gbps(約8.8倍) |
| IPS(不正侵入防御) | 450 Mbps | 4.5 Gbps |
| NGFW速度 | 360 Mbps | 2.5 Gbps |
| SSLインスペクション | 135 Mbps | 2.6 Gbps |
| ファイアウォール速度 | 4 Gbps | 28 Gbps |
| 同時セッション数 | 130万 | 300万 |
| LANポート | 12×ギガビット | 8×ギガビット+10ギガ対応共有ポート×2 |
| TPM(不正防止チップ) | 非搭載 | 搭載 |
| 消費電力(最大) | 25W | 約20〜24W(省電力) |
※数値はFortinet公式データシートの代表値です。90Gには内蔵ストレージ付きの「91G」もあります。
最も大きいのは脅威対策スループットが250Mbps → 2.2Gbpsへ、約8.8倍に跳ね上がる点です。80Eは全機能をONにすると実効250Mbpsで頭打ちになるため、光回線(1Gbps)を契約していても、80Eがボトルネックになって速度が出ないという状態が起きがちでした。90Gならこの詰まりが解消されます。SaaS(kintone・freee・Microsoft 365)やWeb会議を使う会社ほど、体感で「軽くなった」と分かるはずです。
この「UTMが通信の渋滞を起こす」仕組みはZoomが固まる・声が途切れる原因の切り分けでも詳しく解説しています。
なぜ「90G」が80Eの後継なのか|他モデルとの違い
厳密に言うと、80Eの“直接の後継”という決まった1機種があるわけではありません。ただ、80Eを使っていた規模(中小〜中堅、支社)の会社にとって、性能・価格のバランスが最も合うのが90Gです。理由は3つあります。
- ポート構成が近い:80Eは有線ポートが豊富な機種でしたが、90Gも8ポート+10ギガ対応の共有ポートを備え、配線をまとめやすい
- 10ギガ回線に対応できる:80Eは全ポートがギガビット止まり。90Gは10ギガ対応ポートを持ち、将来の回線増速にも耐える
- 新世代SP5で長く使える:これから5年リースを組むなら、新世代機の方がサポート終了までの期間が長く、“次の入れ替え”を遠ざけられる
ただし、会社の規模や使い方によっては、より小型の50G・70Gで十分なケースもあります。「80Eだったから自動的に90G」ではなく、今の人数・回線・使い方に合わせて選び直すのが正解です。各Gシリーズの違いはFortiGate Gシリーズ完全ガイド(30G〜120Gの選び方)で、50Gと下位機の比較はFortiGate 50Gと40Fの比較で解説しています。
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FortiGate 80E → 90G 入れ替えの「本当の費用」
入れ替えにかかるのは、本体代だけではありません。ライセンス・設定作業・既存機器の撤去まで含めた「総額」で把握することが大切です。10〜30名規模で90Gに入れ替える場合の、実勢価格ベースの目安です。
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| FortiGate 90G 本体(実勢価格) | 約12万〜20万円 |
| UTMライセンス5年(フルUTP) | 約30万〜45万円 |
| 初期設定・移行作業(既存ポリシー引き継ぎ含む) | 約8万〜18万円 |
| 既存80Eの撤去・設定移行 | 約2万〜5万円 |
| 保守(5年) | 約5万〜10万円 |
| 入れ替え総額の目安(5年) | 約57万〜98万円 |
※台数・回線構成・拠点数・移行するポリシーの複雑さで変動します。
特に見落としがちなのが「設定移行の作業費」です。80Eで作り込んだファイアウォールのルールやVPN設定を90Gに引き継ぐ作業は、業者の技術力によって費用も品質も差が出ます。「本体は安いが設定費で高く取る」ケースもあるため、FortiGateの価格相場と導入費用の全体像で相場観を持っておくことをおすすめします。
【重要】リース契約中の会社が損をしないための注意点

80Eをリースで導入している会社は、入れ替えのタイミングを間違えると二重に費用を払うことになります。ここが業者の言いなりで進めると最も損をしやすい部分です。
よくある3つの落とし穴
- リース残債があるのに新規リースを組まされる:古い80Eのリースがまだ残っているのに、90Gの新リースを重ねてしまい、二重払いになる
- 「自動更新」で古い80Eを再リースしてしまう:サポートが切れる機種を、気づかず契約更新してしまう最悪のパターン
- 途中解約の違約金を知らずに進める:慌てて入れ替えようとして、高額な違約金が発生する
正しい進め方は、まず今のリースの満了時期を確認し、サポート終了(2026年8月)と満了時期のズレを把握することです。その上で、違約金を払ってでも早く替えるべきか、満了まで待てるかを判断します。詳しくはリース満了・再リースで損しないための3つの鉄則とリース途中解約の違約金トラブルを防ぐ方法をご覧ください。「保守費込みで月額1万円」という提案の裏側はこの記事で解説しています。
FortiGate 80E → 90G 入れ替えの手順(全体の流れ)
実際の入れ替えは、おおむね次のステップで進みます。専門業者に任せる場合でも、流れを知っておくと「今どの段階か」が分かり、安心です。
- 現状確認:今の80Eの設定内容(VPN・ポリシー・接続機器)と、リース契約の満了時期を洗い出す
- 機種・構成の決定:人数・回線に合わせて90G(または50G/70G)と必要ライセンスを決める
- 見積もり取得・適正チェック:本体・ライセンス・設定費の内訳を確認(ここでセカンドオピニオンが有効)
- 設定の事前構築:新しい90Gに、既存の設定を移行・最適化して事前準備
- 切り替え作業:業務への影響が少ない時間帯(夜間・休日)に機器を入れ替え
- 動作確認・旧機撤去:通信・VPN・各機能の動作を確認し、80Eを撤去
この切り替え作業を自社だけで行うのは、情シス担当がいない会社にはハードルが高い部分です。設定移行のミスは通信断やセキュリティホールに直結するため、実績のある業者に任せるのが安全です。今の保守業者に不満がある場合は、IT保守業者の乗り換え手順もご参考に。
FortiGate 80E・90Gに関するよくある質問(FAQ)
Q. FortiGate 80Eのサポートはいつ終了しますか?
A. サポート終了(EOSL)は2026年8月17日です。この日以降、セキュリティ更新・故障時の交換・問い合わせ対応がすべて打ち切られます。販売自体は2021年8月にすでに終了しています。
Q. 80Eの後継機は90Gで合っていますか?
A. 80Eを使っていた規模の会社には、性能・価格のバランスから90Gが有力な後継候補です。ただし決まった1機種があるわけではなく、人数や回線速度によっては50G・70Gで十分な場合もあります。今の使い方に合わせて選び直すのが正解です。
Q. 80Eから90Gにすると、どれくらい速くなりますか?
A. 全機能をONにした実効速度(脅威対策スループット)で比べると、80Eの250Mbpsに対し90Gは2.2Gbpsと、約8.8倍になります。光回線を活かせていなかった会社ほど、体感で通信が軽くなります。
Q. 入れ替えにはいくらかかりますか?
A. 10〜30名規模で90Gに入れ替える場合、本体・ライセンス5年・設定移行・保守を含めた総額の目安は約57万〜98万円です。台数・拠点数・設定の複雑さで変動します。設定移行の作業費は業者によって差が出るため、内訳の確認が重要です。
Q. サポートが切れた80Eを、そのまま使い続けたらどうなりますか?
A. 新しいウイルスや不正アクセスの手口に対応できなくなり、故障しても交換されず、業務が止まるリスクがあります。サイバー保険の条件を満たせなくなる可能性もあります。サポート終了機器の継続利用は避けるべきです。
Q. リース中ですが、8月までに入れ替えないと間に合いませんか?
A. まず今のリース満了時期を確認してください。満了が近ければタイミングを合わせられます。満了まで期間がある場合は、違約金を払って早く替えるか、短期の延長サポートで橋渡しするかの判断になります。慌てて新規リースを重ねると二重払いになるため、入れ替えの前にリース条件の確認が不可欠です。
まとめ:2026年8月17日がタイムリミット。慌てず、でも早めに

FortiGate 80Eの入れ替えで、覚えておくべきことは3つです。
- サポート終了は2026年8月17日 → 過ぎるとセキュリティ更新も故障対応も止まる
- 後継の90Gは実効性能が約8.8倍 → 光回線を活かせ、SaaS・Web会議も軽くなる。ただし50G/70Gで十分な会社もある
- リース中は満了時期の確認が最優先 → タイミングを間違えると二重払いや違約金で損をする
サポート終了が迫っているとはいえ、慌てて業者の言い値で契約するのは禁物です。「90Gが本当に自社に最適か」「見積もりの金額とリース条件は妥当か」を、一度“選ぶ側”のプロに確認する価値があります。
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