「TeraStationって、法人向けのNASのなかでは安いんでしょう?」
この感覚で業者の見積もりを見ると、金額が合いません。2026年現在、TeraStationの4ベイモデルは希望小売価格で27万円からです。「10万円台で4ベイが買えた」という記憶があるなら、それはすでに販売終了になったモデルの話です。
- NASの見積もりが思っていた金額より高くて、妥当なのか判断できない
- 見積書に書かれている型番が、今も売られているものなのか分からない
- 「HDD込みだから安い」と説明されたが、本当に安いのか確かめたい
- 2ベイと4ベイ、どちらを選ぶべきか決められない
- SynologyやQNAPと比べて高いのか安いのか、比べ方が分からない
この記事では、Buffalo公式サイトに掲載されている希望小売価格をそのまま並べて、現行モデルの価格帯・販売終了になったモデル・見積もりの型番が現行品かどうかの見分け方を整理します。価格の出どころはすべて一次情報です。
結論:現行の4ベイTeraStationは「27万円から」
先に結論だけお伝えします。2026年10月時点で、Buffalo公式サイトに希望小売価格が掲載されている法人向けNASは、次の価格帯です(すべて税抜)。
- 2ベイで最も安いのは LinkStation LS720D の 7万9,100円(TeraStationではありません)
- TeraStationの2ベイは TS5220DN の 20万円から
- TeraStationの4ベイは TS3430DN の 27万円から
- 上位の4ベイは TS5420DN が31万円から、TS6400DN が37万円から
「TeraStationは安い」という前提で見積もりを見ると、金額が倍以上に感じます。安かった世代のモデルは、もう売られていません。
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現行モデルの希望小売価格一覧【2026年10月時点】

Buffalo公式サイトの各シリーズページに掲載されている希望小売価格です。表記は税抜に揃えました。
| シリーズ | ベイ数 | 容量 | 希望小売価格(税抜) |
|---|---|---|---|
| LinkStation LS720D | 2 | 2TB〜16TB | 7万9,100円〜19万1,000円 |
| TeraStation TS5220DN | 2 | 2TB〜8TB | 20万円〜23万円 |
| TeraStation TS3430DN | 4 | 4TB〜32TB | 27万円〜54万8,000円 |
| TeraStation TS5420DN | 4 | 4TB〜80TB | 31万円〜121万8,000円 |
| TeraStation TS6400DN | 4 | 4TB〜48TB | 37万円〜97万1,000円 |
ここで押さえておきたいのは、「2ベイで10万円を切るのはLinkStationだけ」という点です。LinkStationとTeraStationは同じBuffaloの法人向けNASですが、価格帯が別物です。
そして、よく見積もりに出てくる「4ベイのTeraStation」は、いちばん安いシリーズでも27万円が出発点です。容量を16TBにすると34万円になります。
その見積もりの型番、まだ売っていますか
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
かつて「安いTeraStation」だった4シリーズは、全型番が販売終了になっています
Buffalo公式サイトで確認すると、次の4シリーズは掲載されている全容量が「販売終了」になっています。価格欄も「-」です。
| シリーズ | ベイ数 | 公式サイトでの状態 |
|---|---|---|
| TeraStation TS3220DN | 2 | 全4型番 販売終了 |
| TeraStation TS3410DN | 4 | 全型番 販売終了 |
| TeraStation TS3420DN | 4 | 全5型番 販売終了 |
| TeraStation TS5410DN | 4 | 全6型番 販売終了 |
この4シリーズが、まさに「TeraStationは安い」という印象をつくった世代です。流通在庫や中古では今も見かけますし、販売店のサイトにも残っています。だから見積もりに出てくることがあります。
終売品を見積もられると、何が困るのか
「安く買えるなら終売品でもいいのでは」と思うかもしれません。問題は買ったあとです。
- 交換用HDDの供給がいつまで続くか分からない:NASは5年前後使う機器です。途中でディスクが1本壊れたとき、同じ型番の交換用HDDが手に入らないと、RAIDを元の構成に戻せません
- 保守契約の期間を確認する必要がある:本体が終売でも延長保守を付けられる場合がありますが、残りの提供期間に上限があることがあります
- ファームウェアの更新が止まる時期が早い:NASはインターネットに触れる機器です。更新が止まった機器を使い続けるのは、セキュリティ上の負債になります
NASは「壊れたときに中身が戻せるか」で価値が決まる機器です。5年使う前提の機器を、供給の終わりが見えている型番で揃えるのは割に合いません。
型番の確認は30秒で終わります
見積書に書かれている型番(例:TS3420DN0804)を、Buffalo公式サイトの製品ページで検索してください。シリーズページの一覧で「販売終了」と書かれていれば終売品です。価格欄が「-」になっているのも同じ合図です。
終売品だった場合、聞くことは2つです。「なぜこの型番なのか」「交換用HDDと保守はいつまで提供されるのか」。合理的な理由(既存機と型番を揃えたい、など)があれば問題ありません。説明が曖昧なら、現行モデルでの見積もりも出してもらってください。
2026年1月に希望小売価格が改定されています
価格の感覚が合わない理由はもう一つあります。値上げです。
Buffaloは2026年1月7日に価格改定を告知し、2026年1月20日から新価格を適用しています。対象はWi-Fiルーター・外付けHDD・ポータブルHDD・外付けSSD・NAS・ポータブルBlu-rayドライブの6カテゴリ、計165品目です。
このうちNASは40品目が対象で、上昇率は0.7%〜24.1%と公表されています。公式サイトの現行モデルに「新価格」と表示されているのは、この改定が反映されたものです。
つまり、「安い世代が終売になった」と「残った世代が値上げされた」が同時に起きています。数年前の相場感をそのまま持ち込むと、どの見積もりも高く見えます。
この記事の価格が「希望小売価格」である理由
ここまでの金額は、すべてBuffalo公式サイトの希望小売価格です。実際に販売店から出てくる金額は、これより下がります。
それでも希望小売価格を基準にしているのは、現行モデルについてBuffaloが公表している唯一の価格がこれだからです。流通価格は販売店・数量・時期で動くため、1つの数字で言い切れません。
見積もりを判断するときは、この順番で見てください。
- 型番が現行品か(公式サイトで「販売終了」になっていないか)
- 希望小売価格はいくらか(公式サイトのシリーズページで確認)
- 見積額が希望小売価格に対してどの位置にあるか(上回っていれば、その理由を聞く)
- 本体以外に何が含まれているか(設定費・バックアップ設計・保守・VPN設定)
見積額が希望小売価格を上回っている場合は、必ず内訳を出してもらってください。設定費や保守が本体価格に混ぜられていることがあります。
2ベイで安く済ませたいなら、TeraStationではなくLinkStation
「2ベイで十分」という会社は少なくありません。社員10名前後で、共有するのがOfficeファイルと図面の一部、という使い方なら2ベイで足ります。
この場合、TeraStationの2ベイ(TS5220DN・20万円から)より、LinkStation LS720D(7万9,100円から)のほうが現実的です。同じ4TBクラスで比べると、価格差は2倍以上あります。
ただし、両者は役割が違います。いちばん大きな違いは保守の形です。
| 比較項目 | LinkStation LS720D | TeraStation TS5220DN |
|---|---|---|
| 希望小売価格(税抜) | 7万9,100円〜 | 20万円〜 |
| ベイ数 | 2 | 2 |
| RAID | RAID 1 | RAID 1 |
| 修理の形 | 送付修理(センドバック) | 訪問修理に対応 |
| 止まったときの復旧 | 機器を送って戻ってくるまで使えない | 現地対応を受けられる |
つまり「止まっている時間をお金で買うかどうか」です。NASが1週間使えなくても業務が回る会社ならLinkStationで十分です。止まった当日に動いてほしいなら、その差額がTeraStationの価格です。
この判断は本体価格より重要なので、保守と運用の落とし穴はBuffaloのTeraStationは法人向け?サポート対応で後悔する前に知るべきことで詳しく解説しています。
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4ベイの3シリーズは、何が違うのか
現行の4ベイは、価格が低い順にTS3430DN・TS5420DN・TS6400DNの3つです。容量の選択肢と、上限の高さが違います。
| TS3430DN | TS5420DN | TS6400DN | |
|---|---|---|---|
| 最小構成(4TB) | 27万円 | 31万円 | 37万円 |
| 16TB構成 | 34万円 | 38万円 | 44万円 |
| 容量の上限 | 32TB | 80TB(受注生産) | 48TB |
| いちばん高い構成 | 54万8,000円 | 121万8,000円 | 97万1,000円 |
| 向く規模 | 10〜30名 | 容量が伸びる見込みがある | 処理性能を優先したい |
迷ったらTS3430DNで足ります
社員10〜30名でファイル共有が主な用途なら、TS3430DNの16TB(34万円)あたりが標準的な選択です。RAID 5を組めば使える容量は約12TBになります。
上位機を勧められたときは、「何が足りなくて上位機なのか」を具体的に聞いてください。容量が足りない・同時アクセスが多い・10GbEが必要といった理由があるなら妥当です。「念のため上のモデルで」という説明だけなら、差額の10万円は見送って構いません。
容量は「使える容量」で考える
カタログの容量はディスクの合計です。RAIDを組むと、実際に使える容量はそれより減ります。
- RAID 1(2ベイ):使える容量は半分。4TBモデルなら約2TB
- RAID 5(4ベイ):使える容量は4分の3。16TBモデルなら約12TB
- RAID 6(4ベイ):使える容量は半分。16TBモデルなら約8TB。ディスク2本までの同時故障に耐えます
見積もりの「16TB」が、使える容量12TBなのか8TBなのかは、どのRAIDで組むかで変わります。ここが書かれていない見積もりは、構成が決まっていない見積もりです。
「HDD込み」は安さの理由にならなくなっています

TeraStationの特徴として、よく「HDDが内蔵されていて、設定も済んでいる」と説明されます。これは事実です。SynologyやQNAPは本体だけで売られていて、HDDは別に買う必要があります。
ただ、この「HDD込み」が価格の優位につながるかは、別の話になりました。
編集部が整理している実勢価格では、4ベイのQNAP TS-464(価格相場の記事)が本体約7万〜9万円、HDDと設定費を含めた導入総額で約18万〜31万円(使える容量12TB)。Synology DS423+は24TB構成の総額で約22万〜25万円です。
一方、TS3430DNの16TBは希望小売価格だけで34万円。ここに設定費が別途かかります。
この2つは価格の前提が違うので、そのまま並べて比べることはできません。TeraStationは希望小売価格、SynologyとQNAPは実勢価格です。公平に比べるには、TeraStationの実際の見積額を取る必要があります。
そのうえで言えるのは、「HDD込みだから総額で安い」という説明は、もう鵜呑みにできないということです。少なくとも、SynologyやQNAPのHDD込み総額と並べた見積もりを出してもらってから判断してください。
本体以外にかかる費用
どのメーカーを選んでも、本体だけでは運用が始まりません。見積もりに入っているべき項目です。
| 項目 | 目安 | 削ると何が起きるか |
|---|---|---|
| キッティング・設定費 | 約3万〜10万円 | 共有フォルダとアクセス権の設計が雑になり、あとで作り直しになる |
| バックアップ先の機器・設計 | 構成により変動 | RAIDだけではランサムウェアで全滅する |
| 保守契約 | 構成により変動 | 故障時に現地対応が受けられない |
| VPN設定費 | 約2万〜8万円 | 社外からのアクセスが設計されず、あとから追加費用になる |
とくにバックアップは削られやすい項目です。NASにRAIDを組んでいても、それはディスクが1本壊れたときに止まらないための仕組みで、バックアップではありません。ランサムウェアに感染すると、NAS上のデータは暗号化されます。
「NASに入れているから安心」で止まっている会社が本当に多いです。基準は「保存できているか」ではなく「戻せるか」です。最後に復元を試した日を答えられる状態にしてください。
【規模・用途別】現行モデルの早見表
| 規模・用途 | 候補 | 希望小売価格(税抜) |
|---|---|---|
| 〜10名/ファイル共有のみ/数日止まっても困らない | LinkStation LS720D(2ベイ) | 7万9,100円〜 |
| 〜10名/止まったら当日動いてほしい | TeraStation TS5220DN(2ベイ) | 20万円〜 |
| 10〜30名/ファイルサーバーとして使う | TeraStation TS3430DN(4ベイ・16TB) | 34万円 |
| データが増え続ける見込みがある | TeraStation TS5420DN(4ベイ) | 31万円〜 |
| 同時アクセスが多い/処理性能を優先 | TeraStation TS6400DN(4ベイ) | 37万円〜 |
| ラックマウントが必要/大規模拠点 | TS51220RHV2・TS71210RHV2 | 100万円超(要見積) |
それでもTeraStationを選ぶ理由は「訪問修理」です
ここまで価格の話をしてきましたが、TeraStationが選ばれ続けている理由は価格ではありません。訪問修理(駆けつけ)の保守が用意されていることです。
情シスがいない会社でNASが止まると、誰も触れません。ディスクを交換する、RAIDを再構築する、データが戻ったか確認する——これを社内でやれる人がいない前提なら、現地に来てもらえる契約の価値は大きいです。
SynologyやQNAPが安いのは、この部分を自社で持つ前提の製品だからです。安いほうを選ぶなら、止まったときに誰が対応するのかを決めておく必要があります。
判断の軸は「本体がいくらか」ではなく「止まった日に誰が動くか」です。そこを決めてから価格を見ると、どのメーカーが合うかははっきりします。
プロが無料で適正チェックします!
他社様の見積もりをご提示いただければ、専門コンサルタントが適正価格・適正スペックか診断します。
※原則3営業日以内に、担当よりご連絡します。
TeraStationの価格に関するよくある質問(FAQ)
Q. TeraStationの価格はいくらですか?
A. 2026年10月時点のBuffalo公式サイトの希望小売価格(税抜)で、2ベイのTS5220DNが20万円から、4ベイのTS3430DNが27万円から、上位のTS5420DNが31万円から、TS6400DNが37万円からです。2ベイでより安く済ませたい場合は、TeraStationではなくLinkStation LS720D(7万9,100円から)が候補になります。実際の見積額はこれより下がります。
Q. 「TeraStationは安い」と聞いたのに、見積もりが高いのはなぜですか?
A. 安かった世代が終売になり、残ったモデルが値上げされたためです。TS3220DN・TS3410DN・TS3420DN・TS5410DNは、公式サイトで全型番が販売終了になっています。さらに2026年1月20日からの価格改定で、NASは40品目が0.7%〜24.1%上昇しています。数年前の相場感は、現行モデルには当てはまりません。
Q. 見積もりの型番が販売終了品かどうか、どう確認できますか?
A. Buffalo公式サイトで型番を検索し、シリーズページの一覧を見てください。「販売終了」と書かれていれば終売品で、価格欄も「-」になっています。終売品だった場合は、なぜその型番なのかと、交換用HDDと保守がいつまで提供されるのかを確認してください。
Q. TeraStationにはHDDが付いていますか?
A. 付いています。HDDが内蔵され、RAIDの初期設定も済んだ状態で出荷されます。SynologyやQNAPは本体だけの販売で、HDDは別途購入が必要です。ただし、HDD込みであることが総額の安さにつながるとは限りません。SynologyやQNAPのHDD込み総額と並べた見積もりを取って比べてください。
Q. 2ベイと4ベイ、どちらを選べばいいですか?
A. 社員10名前後でファイル共有が主な用途なら2ベイで足ります。10〜30名でファイルサーバーとして使うなら4ベイです。4ベイはRAID 5が組めるため、使える容量がディスク合計の4分の3になり、ディスク1本の故障に耐えながら容量効率も確保できます。2ベイのRAID 1は、使える容量が半分です。
Q. RAIDを組めばバックアップは不要ですか?
A. 不要になりません。RAIDはディスクが1本壊れたときに業務を止めないための仕組みで、バックアップではありません。ランサムウェアに感染すればNAS上のデータは暗号化され、RAIDは役に立ちません。NASから切り離された別の場所にバックアップを用意してください。判断基準は「保存できているか」ではなく「戻せるか」です。
まとめ:TeraStationは「型番が現行かどうか」から確認する
TeraStationの価格について、押さえておくべきことは3つです。
- 現行の4ベイは27万円から。「10万円台の4ベイ」はもう売られていません
- 安かった4シリーズは全型番が販売終了(TS3220DN・TS3410DN・TS3420DN・TS5410DN)。見積もりに出てきたら理由を確認する
- 2026年1月20日から値上げされている。NASは40品目が0.7%〜24.1%の上昇
そして、価格より先に決めるべきことがあります。NASが止まった日に、誰が対応するのかです。
社内で対応できる人がいるなら、SynologyやQNAPのほうが総額は下がります。対応できる人がいないなら、訪問修理が用意されているTeraStationの価格差には意味があります。この順番で考えると、見積もりの金額が妥当かどうかを自分で判断できます。
NASは、壊れたときに中身が戻せるかどうかで価値が決まる機器です。本体価格だけで選ばず、バックアップと保守まで含めた構成で比べてください。

