「企業のマイナンバー保管方法は、社内NASで問題ありません。」
このようにIT業者から説明を受け、そのまま導入を進めている企業は少なくありません。
しかし実際には、情報漏えい事故やランサムウェア被害が発生した企業の多くで、「保管場所」ではなく「保管方法」に問題がありました。
本来は限られた担当者しか閲覧できないはずのマイナンバーが、社内の共有フォルダから誰でも閲覧できる状態になっていたという事例も珍しくありません。
マイナンバーには、氏名や住所だけではなく、個人を特定できる重要な情報が含まれています。万が一情報漏えいが発生すると、従業員への影響だけでなく、企業としての信用低下や取引先からの評価にも大きく影響する可能性があります。
この記事では、中小企業に適したマイナンバー保管方法や社内NASの安全な設定、業者へ確認すべきポイント、見積書で見落としやすい項目まで、現場でよくある失敗例を交えながら解説します。
マイナンバーの保管方法、業者任せになっていませんか?
社内NASのアクセス権限、暗号化、バックアップ、VPN設定まで含めて、
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企業のマイナンバー保管方法で最も重要なのは「保存場所」ではなく「管理方法」

「NASに保存してはいけない」は誤解されやすい
「企業のマイナンバー保管方法として、NASへ保存しても問題ありませんか?」という相談を受けることがあります。
結論から言えば、社内NASへ保存すること自体が問題なのではありません。実際に多くの企業では、ファイルサーバーやNASを利用してマイナンバーを管理しています。
マイナンバーの保存する場所ではなく、適切な管理体制が整っているかどうかです。
- アクセス権限が細かく設定され、暗号化やログ管理が行われている。
- 家庭用NASをそのまま業務利用
- 誰でも閲覧できる共有フォルダへ保存
実際の現場では、「NASだから危険」というより、「管理方法が不十分だった」ことが事故の原因になっているケースがほとんどです。
「保存できる」ことと「安全に保管できる」ことは別問題
NASはデータを保存するための機器です。しかし、保存できることと、安全に保管できることは同じではありません。
例えば、フォルダへアクセスできるユーザーが多すぎたり、USBメモリへのコピーを制限していなかったりすると、情報漏えいにつながる可能性があります。
また、マイナンバーを扱う担当者が異動・退職したにもかかわらず、アカウントがそのまま残っている企業も少なくありません。こうした運用上の問題は、システムよりも人の管理体制が原因で発生します。
企業のマイナンバー保管方法を考える際は、「保存できるか」ではなく、「適切な人だけが必要な時に利用できる状態か」という視点で見直すことが大切です。
業者任せにすると設定内容がブラックボックスになりやすい
中小企業では、IT機器の設定を外部業者へ依頼することが一般的です。しかし、設定内容を業者しか把握していない状態は、将来的なリスクになります。
担当者が変更になったり、保守会社を変更したりした際に、管理者アカウントや暗号化キーが分からず、障害対応ができなくなるケースもあります。
また、見積書には「初期設定一式」としか記載されておらず、アクセス権限やログ設定が本当に実施されているか分からないこともあります。
設定作業を依頼すること自体は問題ありませんが、最低限の構成図や管理情報、設定内容は社内でも保管しておくことが重要です。

アクセス権限の設定不足が情報漏えいにつながる理由
理由1:共有フォルダをそのまま利用している企業は少なくない
現場で最も多く見かけるのが、通常業務で利用している共有フォルダへ、そのままマイナンバー関連のデータを保存しているケースです。
導入当初は担当者だけが利用していても、社員が増えるにつれてアクセス権限が追加され、最終的には部署全体、あるいは全社員が閲覧できる状態になってしまうことがあります。
この状態では、誤ってファイルを開いてしまうだけでなく、コピーや持ち出しが容易になります。
理由2:退職者アカウントが残ることでリスクが高まる
人事異動や退職が発生した際、メールアカウントだけを削除し、NASのアカウントが残ったままになっているケースがあります。
実際には利用していなくても、有効なアカウントが残っているだけで、不正アクセスの対象になる可能性があります。
また、VPNとNASが連携している環境では、退職者の認証情報がそのまま利用できてしまうケースもあります。
人事情報とIT管理が連携できていない企業では、このような問題が起こりやすいため、定期的なアカウント棚卸しが欠かせません。
アクセス権限は「設定すること」ではなく「見直し続けること」が重要
本質は、組織変更や担当業務の変更があるたびに、本来必要な権限も変わります。
実際には、必要以上に権限を持ったユーザーが増えてしまい、誰がどのデータへアクセスできるのか把握できなくなっているケースも少なくありません。
企業のマイナンバー保管方法では、アクセス権限を定期的に確認し、不要な権限を削除する運用まで含めて考えることが、安全管理につながります。
暗号化とバックアップを理解していない企業ほど、復旧できない被害が発生しやすい

暗号化は「パスワードを付けること」ではない
企業のマイナンバー保管方法を見直す際、「フォルダにパスワードを設定しているから問題ない」と考えている企業は少なくありません。
しかし、パスワード保護とディスク暗号化はまったく別の仕組みです。フォルダにパスワードを設定していても、NAS本体のディスクが暗号化されていなければ、機器の盗難やディスクの持ち出しによってデータを読み取られる可能性があります。
実際の現場例)
- 「ログイン画面があるから安全」と思っていたものの、暗号化設定は有効になっていなかった
- 導入時に業者が設定していると思い込んでいた結果、数年間その状態に気付かなかった
企業がマイナンバーを保管するのであれば、「ログインできるか」だけではなく、「ディスクそのものが暗号化されているか」まで確認しておくことが重要です。
ランサムウェアはバックアップまで暗号化することがある
近年のランサムウェアは、NAS内のファイルだけでなく、ネットワーク上に接続されているバックアップ領域まで暗号化するケースがあります。
「毎日バックアップを取っているから安心」と考えていた企業でも、バックアップ先が同じNASや常時接続された外付けディスクだったため、すべて暗号化されてしまい、復旧できなかった事例があります。
その結果、給与計算データや年末調整資料、マイナンバー関連データまで失われ、紙資料から再作成するしかなくなった企業もあります。
バックアップは「あるかどうか」ではなく、「感染しても残る構成になっているか」が重要です。
バックアップは「3-2-1ルール」を意識すると失敗しにくい
企業のマイナンバー保管方法では、「3-2-1ルール」を参考にすると、復旧できる可能性が高まります。
これは、「データを3つ保持し、2種類の保存媒体を利用し、そのうち1つはネットワークから切り離して保管する」という考え方です。
おすすめ保存方法
- 社内NASにデータを保存
- 別のNASへバックアップを取得
- クラウドやオフラインディスクへ保存
一度の障害ですべてを失うリスクを減らせます。
中小企業ではここまで実施していないケースも多いですが、マイナンバーのような重要データは、通常業務のデータよりも優先して保護する価値があります。
古いNASを使い続けるリスクは想像以上に大きい
「まだ壊れていないから使い続けよう」という判断をする企業もありますが、NASは故障だけがリスクではありません。
メーカーによるセキュリティ更新が終了すると、新たな脆弱性が発見されても修正プログラムが提供されなくなります。その状態でインターネットへ接続されたまま運用を続けると、既知の脆弱性を狙った攻撃を受ける可能性があります。
保守契約の内容によって復旧スピードは大きく変わる
保守契約へ加入しているから安心とは限りません。
契約内容によっては、「故障した機器を交換するだけ」であり、データ復旧や設定復元、アクセス権限の再構築までは対象外となっていることがあります。
障害が発生してから追加費用を提示され、「そこは保守対象外です」と説明されるケースも珍しくありません。
見積書や保守契約書では、「障害発生時にどこまで対応してもらえるのか」を具体的に確認しておくことが重要です。
暗号化・バックアップ・保守は、それぞれ役割が異なります。どれか一つだけ整えても十分とはいえず、組み合わせて運用することで初めてマイナンバーを安全に保管できる環境になります。

企業のマイナンバー保管方法を見積もりで判断する際に確認したいポイント
確認したい費用項目
| 項目 | 一般的な目安 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| NAS本体価格 | 8〜35万円 | 社員数に対して容量・性能が適正か |
| 実勢価格 | 7〜30万円前後 | 定価ではなく市場価格になっているか |
| 初期設定費 | 3〜10万円 | アクセス権限・共有設定まで含まれるか |
| VPN設定費 | 3〜8万円 | 社外接続テストまで実施するか |
| 暗号化設定 | 設定費へ含まれることが多い | 実際に有効化されるか |
| 年間保守費 | 2〜8万円 | 障害時の対応範囲 |
| ライセンス費 | 年間1〜5万円 | 毎年必要なのか確認する |
| 導入総額 | 15〜60万円程度 | 設定内容とのバランスを見る |
| 月額換算 | 約4,000〜16,000円 | 保守込みの総額で比較する |
| 5年リース総額 | 25〜90万円程度 | 途中解約条件・総支払額を確認する |
「将来を見据えて」という営業トークには注意
「将来社員が増えるので、このモデルがおすすめです。」という提案を受けることがあります。
もちろん将来性を考慮することは重要ですが、社員20名規模にもかかわらず100名以上を想定した構成が提案されるケースもあります。
CPU性能やメモリ容量だけが高くても、実際には利用率が低く、更新時期まで性能を使い切らない企業も少なくありません。
不要な保守契約が含まれていないか確認する
保守契約は必要ですが、内容を確認せず契約すると、不要なサービスへ費用を支払い続けることがあります。
例えば、「24時間365日対応」と記載されていても、実際には受付だけで、訪問対応は翌営業日というケースもあります。
また、ハードウェア交換のみ対象で、データ復旧や設定復元は別料金という契約もあります。
業者によって設定品質が大きく異なる
同じNASを導入しても、設定する業者によって安全性は大きく変わります。
アクセス権限を部署単位まで細かく設定する業者もあれば、「全社員が閲覧できる共有フォルダ」で納品してしまう業者もあります。
また、障害発生時を想定した復旧手順書や構成図を納品する会社もあれば、「設定は完了しました」という報告だけで終わる会社もあります。
企業のマイナンバー保管方法を業者へ任せる場合でも、どこまで設定・説明・ドキュメント作成が含まれるのかを契約前に確認しておくことが、将来のトラブル防止につながります。
マイナンバーの保管方法、業者任せになっていませんか?
社内NASのアクセス権限、暗号化、バックアップ、VPN設定まで含めて、
専門コンサルタントが 情報漏えいリスク・過剰費用 を確認します。
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まとめ|企業のマイナンバー保管方法は「安全な運用」が何より重要

企業のマイナンバー保管方法を考える際、「クラウドが安全」「NASは危険」といった単純な比較だけでは判断できません。
現場で情報漏えい事故やランサムウェア被害が発生している企業を見ると、多くの場合は機器そのものではなく、アクセス権限やバックアップ、暗号化、運用ルールの不足が原因となっています。
また、「導入して終わり」という考え方も危険です。社員の入退社や組織変更、メーカーサポート終了など、運用環境は年々変化します。その変化に合わせて設定を見直さなければ、導入当初は安全だった環境でも徐々にリスクが高まってしまいます。
企業のマイナンバー保管方法で押さえておきたいポイント
- 保存場所よりもアクセス権限の管理を優先する
- ディスク暗号化が有効になっているか確認する
- バックアップは別媒体・別環境にも保存する
- 退職者や異動者のアカウントを定期的に整理する
- メーカーサポート終了前に更新計画を立てる
- 見積書では本体価格より設定内容・保守範囲を確認する
- 設定資料や構成図を社内でも保管する
- 年に一度は運用ルールを見直す
「今まで問題がなかったから大丈夫」ではなく、「問題が起きても被害を最小限に抑えられる状態になっているか」という視点で保管方法を見直してみてください。
企業のマイナンバー保管方法は、機器選びよりも運用設計が重要です。アクセス権限・暗号化・バックアップ・保守体制をセットで見直すことが、安全な管理への近道になります。

