「Pマークを取得はUTMやVPNを導入すれば代わりになるのでは?」
PマークとUTM・VPNは役割が異なるため、機器を導入するだけでPマークの代わりになるわけではありません。
特に情シス担当者がいない中小企業では、違いがわからないまま業者へ相談し、UTM・VPN・保守をセットで提案され、高額な契約を結んでしまうケースがあります。
一方で、取引先が本当に求めているのがPマーク取得そのものではなく、一定水準のセキュリティ対策である場合もあります。
本記事では、PマークとUTM・VPNの違いから、取引先への確認事項、見積もり・保守・リース費用の見方まで、自社に必要な対策を判断するポイントを解説します。
Pマーク対策で、不要なUTM・VPNまで契約していませんか?
取引先の要求内容と現在のセキュリティ環境を整理し、
UTM・VPN・保守・リースが本当に必要な構成かを確認します。
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PマークはUTM・VPNを導入すれば代わりになるものではない

Pマークは「製品」ではなく個人情報を管理する仕組みへの評価
Pマーク(プライバシーマーク)は、個人情報を適切に管理する仕組みを整え、継続して運用している事業者を評価する制度です。そのため、UTMなどのセキュリティ機器を導入しただけで取得できるものではありません。
「Pマーク取得にはUTMが必要」と説明された場合は、制度への対応と機器導入が混同されていないか確認が必要です。
UTMとVPNが担当するのは技術的なセキュリティ対策
UTMとVPNは、どちらも企業のセキュリティ対策に使われますが、役割は異なります。
- UTM:社内ネットワークとインターネットの境界で不正な通信などを監視・遮断する仕組み
- VPN:社外や別拠点から社内ネットワークへ接続する際の通信経路を保護する仕組み
| 項目 | UTM | VPN |
|---|---|---|
| 主な役割 | 複数のセキュリティ機能をまとめて管理 | 社外・拠点間の通信を保護 |
| 主な用途 | 不正アクセス・危険な通信などへの対策 | テレワーク・拠点間接続 |
| 導入効果 | ネットワークの入口・出口を監視しやすくする | 通信内容の盗み見や改ざんリスクを抑える |
| 対応できない例 | 社内の権限管理、従業者教育、バックアップ | マルウェア対策、社内の権限管理、バックアップ |
| Pマークの代替 | できない | できない |
特に注意したいのは、UTMを導入すれば社内全体のセキュリティ対策が完了するわけではない点です。例えば、退職者のアカウントが残っている、全社員が顧客情報へアクセスできる、バックアップから復元できないといった問題は、UTMやVPNでは解決できません。
そのため「Pマーク対策としてUTMとVPNを入れましょう」と一式で提案された場合は、それぞれ何のリスクを防ぐために必要なのかを確認してください。Pマークへの対応には、機器だけでなくアクセス権管理、従業者教育、バックアップ、事故対応などの運用面も含めて整備する必要があります。

Pマーク取得では何を対策すればいい?物理・技術面から解説
Pマーク取得に向けたセキュリティ対策は、UTMやVPNを導入するだけでは完結しません。個人情報を守るには、オフィスや書類・端末を守る「物理的な対策」と、ネットワークやシステムを守る「技術的な対策」の両方を確認します。
オフィスや書類を守る物理的な対策
物理的な対策では、個人情報を保管している場所へ誰でも自由に入れない環境を整えます。特に来客が多いオフィスでは、執務スペースと来客スペースを分け、必要に応じて入退室を管理できる仕組みを整える方法があります。
代表的な対策は次のとおりです。
- ICカードなどによる入退室管理
- 執務室・サーバー室への入室制限
- 入退室記録の保存
- 書類保管キャビネットの施錠
- ノートPCの盗難・持ち出し対策
- クリアデスクの徹底
- 不要書類の適切な廃棄
重要なのは、設備を導入することではなく、「誰が、どこへ入れるのか」を管理できる状態にすることです。
UTM・VPNだけに頼らない技術的な対策
技術的な対策では、不正アクセスやマルウェア、アカウントの不正利用などから個人情報を守ります。ただし、すべての対策をUTM一台でカバーできるわけではありません。
| 対策 | 主な目的 |
|---|---|
| UTM | 不正通信・外部攻撃への対策 |
| VPN | 社外からの安全な接続 |
| 多要素認証 | アカウントの不正利用対策 |
| アクセス制御 | 閲覧できる情報を制限 |
| ログ管理 | 利用・アクセス状況を記録 |
| バックアップ | 障害・ランサムウェア等への備え |
例えば、UTMを設置していても、退職者のアカウントが残っていたり、全従業員が顧客情報を閲覧できたりすれば、個人情報の管理として十分とはいえません。
Pマーク取得を進める際は、「何を導入するか」から考えるのではなく、個人情報がどこにあり、誰が扱い、どのようなリスクがあるのかを整理します。そのうえで、物理対策と技術対策の不足部分を補うことが、過剰な設備投資を防ぐポイントです。

Pマーク取得を進める場合に必要な費用も分けて考える

Pマークの審査費用とIT設備費は別物
Pマーク取得にかかる費用は、申請・審査だけではありません。UTMやVPNなどのIT設備費とは分けて、「取得までに必要な費用」と「取得後も続く費用」を整理する必要があります。
2026年10月1日以降の新規取得にかかる申請料・審査料・付与登録料の合計は、事業者規模によって異なります。
参考:プライバシーマーク制度 料金改定のお知らせ(2026年10月より)
| 事業者規模 | 新規取得時の合計 |
|---|---|
| 小規模 | 336,600円 |
| 中規模 | 690,800円 |
| 大規模 | 1,382,700円 |
ただし、これだけでPマーク取得に必要な総額が決まるわけではありません。実際には、次の費用や社内負担も考える必要があります。
ただし、これだけでPマーク取得に必要な総額が決まるわけではありません。
実際には、次の費用や社内負担も考える必要があります。
- Pマークの申請料・審査料・付与登録料
- PMS構築を依頼する場合のコンサルティング費
- UTM・VPNなど不足しているIT環境の改善費
- 規程や管理台帳などを整備する社内工数
- 従業者への教育や内部監査にかかる工数
- 取得後の運用や更新対応にかかる費用
そのため、業者から「Pマーク対策一式」として見積もりを提示された場合は、審査関連費・コンサルティング費・IT設備費を分けてもらうと、何にいくら支払うのか判断しやすくなります。
取引のために取得するなら売上とのバランスを見る
Pマーク取得そのものが取引条件なら、UTMやVPNを導入して代用することはできません。一方、必須条件でない場合は、取得によって期待できる取引と費用・運用負担を整理する必要があります。
例えば、一社との小規模な取引のために取得する場合と、今後複数の大手企業との取引や入札参加を予定している場合では、費用に対する考え方が変わります。
特に見落としやすいのが取得後です。Pマークは取得して終わりではなく、教育・点検・内部監査・改善などを継続して行います。情シス専任者がいない中小企業では、総務担当者など一人に作業が集中するケースもあります。
この構成なら危険?Pマーク・UTM・VPNの見積もりチェックポイント
危険なのは「全部入り」ではなく理由を説明できない構成
UTM、VPN、NAS、クラウドバックアップ、EDR、多要素認証などを組み合わせること自体が過剰とは限りません。扱う情報や業務内容によっては必要です。
例えば社外から社内ネットワークへアクセスしない会社なら、リモートアクセスVPNを何のために導入するのか確認が必要です。一方、営業担当者が社外から社内システムへ接続するなら、VPNやゼロトラスト型のアクセス方法など具体的な対策が必要になります。
機能名から選ぶのではなく、業務とリスクから逆算してください。
| 確認項目 | 注意したい状態 | 判断しやすい状態 |
|---|---|---|
| Pマーク | 「取引先に言われたから」だけで取得開始 | 取引条件・取得目的を確認済み |
| UTM | 社員数や通信量を確認せず機種決定 | 端末数・回線・利用機能から選定 |
| VPN | 利用者・用途が曖昧 | 利用者と接続先を把握 |
| 保守 | 「安心サポート」など範囲が曖昧 | 障害切り分け・設定変更範囲が明記 |
| バックアップ | RAIDだけでバックアップ扱い | 別媒体・別環境へのバックアップあり |
| リース | 月額だけ提示 | 支払回数・総額・終了後条件を確認 |
見積書で最低限確認したい項目
見積書を受け取ったら、製品名と金額だけを見るのではなく、構成を分解してください。本体価格または実勢価格、設定費、VPN設定費、ライセンス費、保守費、導入総額を確認します。
リースなら月額×支払回数を計算し、リース総額も横に書いてください。これだけで、100万円を超える契約だったことに初めて気づくケースがあります。
価格差が出た場合は、安い・高いだけで決めず、設定作業や障害対応の範囲が同じかを確認してください。ネットワーク案件は、業者の設定品質と障害対応力で導入後の差が出やすい分野です。

まとめ|PマークとUTM・VPNを分けて考えると無駄な契約を避けやすい

PマークとUTM・VPNは目的が異なります。取引先からPマーク取得を求められても、すぐに機器を契約するのではなく、「Pマーク取得そのものが必須なのか」を確認することが先です。
セキュリティ対策が目的なら、UTMだけでなく、アクセス権管理、多要素認証、バックアップ、従業者教育など、自社に不足している対策を洗い出します。また、見積もりは月額ではなく、設定費・ライセンス費・保守費を含めた契約期間全体の総額で確認してください。
今日からできる3つのこと
- 取引先へPマーク取得がなぜ必須条件なのか確認する
- セキュリティチェックシートから自社の不足項目を洗い出す
- UTM・VPNの見積もりを本体・設定・保守・ライセンス・契約総額に分けて確認する
「何のための対策か」を整理してから予算を使うことが、不要な契約を防ぐ第一歩です。
Pマーク対策で、不要なUTM・VPNまで契約していませんか?
取引先の要求内容と現在のセキュリティ環境を整理し、
UTM・VPN・保守・リースが本当に必要な構成かを確認します。
※セカンドオピニオン大歓迎。現在の見積もりを見ながらのご相談も可能です。
※しつこい営業電話は一切いたしません。

