「OA機器の営業からSTEALTHONE S903っていう新しいUTMを勧められた。サイバー保険も付くらしいけど、実際どうなの?」
「新製品すぎて口コミが全然出てこない。この値段と性能、うちに合ってる?」
STEALTHONE S903(ステルスワン S903)は、株式会社ワイズ(Y’s corporation)が2026年6月に発売したばかりの新型UTM(ネットワークの門番)です。発売直後のため、メーカー公式以外に評判を語る情報がほとんどなく、「提案されたが判断材料がない」という声が増えています。
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STEALTHONE S903とは?2026年6月発売の「保険付きUTM」

S903は、OA機器の販売・リースを手がける株式会社ワイズが国内総販売元となっている、統合脅威管理(UTM/NGFW)アプライアンスです。「STEALTHONE(ステルスワン)」シリーズの最新モデルとして2026年6月8日にリリースされました。
社長がまず押さえるべきポイントは3つです。
- 役割は他のUTMと同じ「会社の玄関の警備員」:インターネットの出入り口でウイルス・不正アクセス・怪しいサイトをブロックします。
- 最大の特徴は「サイバー保険が標準付帯」:万が一S903を通過して感染した場合、情報漏洩の損害賠償や復旧費用を最大100万円まで補償。
- ラインナップは3種類:S903(保険のみ)/S903-S(ESET6ライセンス付)/S903-M(ESET15ライセンス付)。エンドポイント対策ソフトを抱き合わせたモデルがあります。
STEALTHONE S903のスペックを正直に読み解く
ワイズの公式カタログは、性能値を包み隠さず全部載せています。この点は誠実です。ただし、数字の「どこを見るか」で評価は大きく変わります。中小企業の判断に必要な部分だけを抜き出します。
| 項目 | S903の数値 | これは何を意味するか |
|---|---|---|
| ファイアウォール スループット | 800 Mbps | いわば「素の速度」。カタログで目立つが実運用の参考にはならない。 |
| アンチウイルス | 722 Mbps | ウイルス検知だけを動かした速度。 |
| 全機能ON時の実効速度 (AV+IPS+サンドストーム) | 455 Mbps | ここが最重要。セキュリティを全部オンにすると、実力はここまで下がる。 |
| 想定ユーザー数 | 35名 | カタログ上の対応人数。 |
| FWセッション数 | 160,000 | 同時にさばける通信の数。 |
| ポート | GbE ×6 | 有線LANの差込口。 |
「4つのセキュリティエンジン」の中身
S903は独自技術というより、複数の他社エンジンを組み合わせた構成です。カタログによれば、オリジナルエンジン「STEALTHONE Security Cloud by Zyxel」(Norton/Avira/Avastの協力)と「Bitdefender」を採用。さらにESET付きモデル(S903-S/M)では、エンドポイント側にESETを搭載します。
これは悪いことではありません。BitdefenderもESETも実績あるエンジンです。ただし、「国産の最新型UTM」という印象と、実態が「Zyxel(台湾)ベースのOEM+著名エンジンの寄せ集め+保険」であることのギャップは、知っておいて損はありません。
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最大の売り「サイバー保険100万円」を冷静に評価する

S903を検討する人の多くが、この「サイバー保険標準付帯」に惹かれています。中身を正確に見てみましょう。カタログに記載された条件は以下の通りです。
- 補償上限:1事故あたり最大100万円
- 補償期間:3年
- 自己負担:0円(100%補償)
- 対象:S903を通過して感染した場合の、情報漏洩の損害賠償・復旧費用・弁護士相談費用等
- 引受:損害保険ジャパン(代理店:ブロードマインド)
さらに注意すべきは、「保険が付いているから安心」という心理が、肝心の”本体の防御性能”の検証を甘くさせることです。保険はあくまで「感染してしまった後」の話。本来もっと大事なのは「そもそも感染させない防御力」です。その観点でS903の実効速度455Mbpsを、同価格帯の機種と比べてみましょう。
【本題】S903とFortiGateを「同じ土俵」で比較する
S903は「35名対応」を謳っています。では、同じくらいの規模を想定するFortiGate(世界シェアNo.1のUTM)と、全機能ON時の実効速度(脅威防御スループット)で正しく比較してみます。ここを揃えないと、フェアな比較になりません。
| 項目 | STEALTHONE S903 | FortiGate 50G | FortiGate 70G |
|---|---|---|---|
| 想定規模 | 35名 | 10〜20名 | 25〜50名 |
| 全機能ON時の実効速度 | 455 Mbps | 1.1 Gbps | 1.3 Gbps |
| 同時セッション数 | 16万 | 72万 | 150万 |
| サイバー保険 | 標準付帯 (最大100万円) | なし (別途加入は可能) | なし (別途加入は可能) |
| 世界シェア・実績 | 新興・情報少 | 世界シェアNo.1 | 世界シェアNo.1 |
※S903はワイズ公式カタログ、FortiGateはFortinet公式データシート/製品マトリクスの脅威防御スループット準拠。
この表が示す事実は明確です。S903は「35名対応」と、50G(10〜20名向け)や70G(25〜50名向け)より大きな規模を想定しているにもかかわらず、全機能ON時の実効速度は50Gの半分以下、70Gの約3分の1です。同時セッション数も大きく差があります。
では、S903を選ぶ意味はあるのか?
公平を期すために、S903が向いているケースも挙げます。
- 「保険が付いている安心感」を最優先したい:技術的な性能より、経営判断として「万一の補償が最初から付く」ことに価値を感じる場合。
- 10名以下・軽い使い方:実効455Mbpsでも足りる小規模・低負荷なら、実用上の問題は出にくい。
- ESET込みで一括導入したい(S903-S/M):エンドポイント対策ソフトも同時に揃えたい場合、抱き合わせが手間削減になることも。
ただし、いずれの場合も「保険100万円の実効性」と「実効速度455Mbps」を理解した上で選ぶことが前提です。「35名までいける最新型」という営業トークだけで判断するのは危険です。
S903を提案されたときの注意点
S903はOA機器業者(ワイズおよびその販売網)経由で提案されるケースが多い製品です。他社UTMと同様、以下の点に注意してください。
- 実効速度を確認する:「35名対応」と言われたら「セキュリティを全部オンにしても35名で問題ないか(455Mbpsで足りるか)」を質問してください。
- リース・レンタルの総額を確認する:OA機器業者経由の場合、複合機や電話機とセットのリースに組み込まれ、UTM単体の費用が見えにくくなりがちです。月額の総額と、満了後どうなるかを必ず確認してください。
- 保険の条件を鵜呑みにしない:「100万円補償」の適用範囲・期間(3年)・実際の被害規模との差を理解してください。
- 相見積もりを取る:新製品ゆえ相場が不透明です。FortiGateなど他メーカーと同じ規模で比較して初めて適正価格が見えます。
なお、マイナーメーカーのUTMを相場より大幅に高く販売する悪質な業者の手口も存在します。「よく知らないメーカーだが強く勧められている」場合は、一度立ち止まって第三者に確認するのが安全です。
STEALTHONE S903に関するよくある質問(FAQ)
Q. STEALTHONE S903の価格はいくらですか?
A. S903は2026年6月発売の新製品で、まだ実勢価格の相場が固まっていません。ワイズおよび販売代理店経由での提案が中心で、本体単体よりもリース・レンタル、あるいはESET付きモデル(S903-S/M)としての提案が多く見られます。価格の妥当性を判断するには、同規模のFortiGate等と相見積もりを取ることをおすすめします。
Q. S903のサイバー保険はどこまで補償されますか?
A. 損害保険ジャパンが引き受ける特約で、S903を通過して感染した場合の情報漏洩の損害賠償・復旧費用等を、1事故あたり最大100万円・補償期間3年・自己負担0円で補償します。ただし、ランサムウェア等の実被害は数百万円以上になることも多く、100万円では一部の補填にとどまる点は理解しておくべきです。
Q. S903とFortiGate、どちらを選ぶべきですか?
A. 全機能ON時の実効速度で比較すると、S903は455Mbps、FortiGate 50Gは1.1Gbps、70Gは1.3Gbpsです。S903は「35名対応」を謳いますが実効速度は50Gの半分以下のため、防御性能を重視するならFortiGateが優位です。一方「保険が標準で付く安心感」を経営判断として重視するならS903も選択肢になります。
Q. S903-SとS903-Mの違いは何ですか?
A. どちらもESETエンドポイントセキュリティが付属するモデルで、ライセンス数が異なります。S903-Sが6ライセンス、S903-Mが15ライセンスです。無印のS903はサイバー保険のみで、ESETは付属しません。PCの台数に応じて選ぶ形になります。
Q. S903は独自技術のUTMですか?
A. 完全な独自技術ではなく、複数の他社エンジンを組み合わせた構成です。オリジナルエンジン「STEALTHONE Security Cloud by Zyxel」とBitdefenderを採用し、ESET付きモデルではエンドポイントにESETを使います。実績あるエンジンを使っている点は安心材料ですが、「純国産の独自UTM」ではない点は認識しておくとよいでしょう。
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まとめ:S903は「保険が魅力の新製品」。ただし性能は数字で確認を

STEALTHONE S903は、サイバー保険標準付帯という分かりやすい安心感を持つ、話題の新型UTMです。最後に、判断のために覚えておくべきことは3つです。
- 最大の売りは「保険100万円」だが、実被害には足りないことが多い → 保険は「感染後」の話。まず「感染させない防御力」を見る。
- 「35名対応」でも全機能ON実効速度は455Mbps → 同価格帯のFortiGate 50G(1.1Gbps)の半分以下。実効速度で判断を。
- 新製品ゆえ相場が不透明 → FortiGate等と必ず相見積もりを取り、適正価格を確認する。
「S903を提案されているが、本当にこれでいいのか」と迷っているなら、まずは第三者の目でチェックするのが確実です。STEALTHONE S903の製品データベースで他機種とのスペック・価格の違いを確認できます。STEALTHONEシリーズ全体の位置づけはワイズ STEALTHONEの評判記事、FortiGateとの選び方はFortiGateの価格相場と導入費用の全体像もあわせてご覧ください。
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